So-net無料ブログ作成
検索選択

プリキュア5 第33話『大スクープ!プリキュア5独占取材!』 [Yes!プリキュア5]

「東スポ」などは見出しがどんなに派手でも、既にネタとして受け止められてしまうので
さほど問題視する必要はありませんが、その手法を真似ただけでは
報道の暴力として当事者を傷つけてしまいます。
記事に取り上げられた本人だけでなく、記事を書いた増子さんも責任を感じてしまい・・・
仲間に囲まれるのぞみ達と、孤独な増子さんの対比を描く演出も際立ち、
そして異様に張り切って悪役を務めるブンビーさんが久々に怖く見える一編でした。
 
サンクルミエール通信最新号を前に、りんちゃんは朝から怒り心頭です。
それもその筈、そこには「フットサル部惨敗!!」との大見出しに始まり、
「今野キャプテン痛恨のミス」「調整失敗!?」「練習不足!?」
さらに「キャプテン辞任か?」などと派手な小見出しが躍っていました。
そこに登場する増子さんのいつもの口上を遮り、りんちゃんは増子さんを厳しく追及します。
『増子さん!!この記事何なの?今野さんがキャプテン辞める訳無いじゃない!』
増子さんは「辞任か?」と疑問符をつけて書いていると平然と答えますが、
今野さんが足を痛め、怪我を押して出場した事は知りませんでした。
きちんと取材せず記事にした事を責めるりんちゃんに、
槍玉に挙げられている今野さんは自分の調整失敗によって怪我したかもしれないと、
そして次頑張ろうと諭します。しかしそうは言ったものの自分のミスを過剰に報じる紙面で
傷ついてしまったのは間違いないでしょう。おそらく、記事を書いた増子さんも同じく・・・

その頃ナイトメアでは、ブンビーさんはハデーニャさんとカワリーノの会話に入れてもらえず、
露骨に無視され続け、挙句にカワリーノに足を踏まれる体たらく。
周りの一般社員に意見を求めても、無表情な仮面同様、何も語ることはありません。
開き直ったブンビーさんは一人でやってやろうと決意して出撃します。

その日の昼休み。一人ぽつんとテラスに佇む増子さんは朝の一件が堪えているようです。
そんな増子さんを案じておタカさんがパンと飲み物を差し入れ、
自分が見聞きした事を伝える事の大切さに理解を示しながらも、
そこには大事な責任もある事。そして一人で背負いきれない時は
仲間と分かち合う方法もあるのではないかと助言しますが、
増子さんは「仲間」という言葉を聞いて悲しい目を浮かべ、
おタカさんに何も答えず席を立ちました。
しかし、その寂しそうな後姿におタカさんの励ましの声がかけられます。
『あたしゃいつでも応援してるよ』

増子さんを案じて追って来たのぞみは、一人で写真を撮って記事を書き、
編集して新聞を作り上げる事を素直に賞賛します。
しかし一人でやっているのでははありません。一人になってしまったのでした。
かつては一緒に新聞を作る部員達がいましたが、
夢中になると周りが見えなくなる増子さんに付いていけなくなり、
一人減り、二人減り、いつの間にか増子さん一人になっていました。
それでも意地になって続けたものの、大げさな見出しで誤魔化したり
噂話のような記事が増えて行き、そして今回、きちんとした調べもせずに記事を載せて
人を傷つける記事を書いてしまうに至りました。
その事を悔い、辞めようとこぼす増子さんを、のぞみは楽しくて面白い記事もあると指摘します。
確かに「入学おめでとう」「おタカさんの新メニュー」など、ゴシップだけではありません。
そして合流する4人それぞれ、増子さんの慰留に努めます。
うららは自分の芸能活動をもっと取り上げて欲しいと、
こまちは文筆家として体当たり取材の記事を楽しみにしており、
かれんは生徒の身近な情報を伝える学校新聞として評価。
そして冒頭でモメたりんちゃんも次の試合の活躍を取り上げてもらおうと励ましますが・・・
『みんなの気持ちは嬉しい。けど・・・』
増子さんは自らの手でサンクルミエール通信を剥がし、一人寂しくその場を後にしました。
そしてその一部始終は木陰でブンビーさんが自信たっぷりに伺っています。
『私は一人でも出来るって事を見せてやるよ』

ナッツハウスで、増子さんのためにナッツ独占取材を切り出すのぞみ達ですが、
当のナッツは即座に却下します。
仮にナッツの取材で続けたとしても、問題の根本的な解決にはなりません。
それでも居ても経ってもいられず、のぞみは再び増子さんの許へ向かいました。

夕暮れの無人の新聞部で荷物を整理する増子さん。
机の引き出しには、サンクルミエール通信のバックナンバーを収めたファイルが入っています。
創刊号のトップ記事は「主人にお届け 噂の新聞配達権犬に密着」という、
近所の忠犬を題材にした温かみに満ちた記事が書かれていました。
丁寧に取材して、みんなで協力して創刊号を作り上げた日を思い出し、
増子さんの目に涙が滲みますが、過ぎ去った時間も、仲間も、もう帰ってきません。
ファイルを閉じ、カメラを、腕章をしまう際、これまで撮った写真を床に散らしてしまいました。
新聞部のみんなと取った写真だけでなく、体当たり取材で撮影した数々の写真。
のぞみ達やプリキュア達、かつての仲間達と増子さん、
写真に写るみんなは生き生きとしているのに、今の増子さんは
ただただ、悲しみに包まれています。
ところがプリキュアを撮った写真はいつの間にか侵入してきたブンビーさんの目に留まり・・・。
後ずさる増子さんにブンビーさんの魔の手が忍び寄ろうとしています。

夕闇が迫る学校を逃げる増子さん。
つまづいて荷物を落とし、そのまま荷物を置いて建物の影に隠れて息を殺す増子さんに、
獲物を追い詰めるようにじわじわと迫るブンビーさん。
追って来た影が怪人の姿に変わるのを見て必死に恐怖を押し殺し、
悲鳴を上げないように口を押さえて震える増子さんに
今まさにブンビーさんの魔の手が迫ろうとした時、のぞみ達が駆けつけました。
落ちている増子さんの荷物に気がつき、増子さんを案じて変身する5人。

ブンビーさんはあろうことか増子さんの大事なバックナンバーに仮面を被せてコワイナー化。
増子さんは大切な新聞をコワイナー化された事に、先ほどの恐怖から我を忘れて飛び出します。
増子さんを襲うコワイナーの一撃はドリームが庇い、
ブンビーさんはルージュとレモネードが迎え撃ち、
ミントとアクアはコワイナーに挑みますが、毎度の事ながら劣勢に追い込まれました。
『仲間に頼ってるからこうなるんだよ。
 一人じゃ何も出来ないやつらがいくら集まったところで無駄なんだよォ!』
嘲笑うブンビーさんに、ドリームを皮切りに反論する5人。
一人で出来なくても、みんなで考えて、悩んで、一生懸命やって、
例え上手く行かなくても、その気持ちは絶対みんなに伝わる。
気持ちが伝わってくれば、その人のために何とかしてあげたいと思う。
例え力が無くても、みんなで立ち向かえば出来るかもしれない。
それが仲間だと皆で宣言します。

『そうやって傷を舐め合、隙アリー!!!』
反論の途中で隙を付いて不意打ちをかまそうとするブンビーさん。
そして増子さんは先ほどの5人の言葉に打たれ、夢中でシャッターを切り始めました。
ミントシールドがブンビーさんの攻撃を止め、かき消し、続く反撃をフィルムに収めます。
4人でコワイナーの動きを止め、クリスタルシュートがコワイナーを退け、
ブンビーさんもまた撤収していきました。

『新聞辞めたのに、何撮ってるんだろう。私・・・』
我に返る増子さんは、ファイルを返してくれたドリームにお礼を言って立去ろうとしますが・・・
ドリームは自分達の取材をしなくても良いのか切り出しました。
ルージュやアクアが多少難色を示すものの、
そこは取材慣れしたレモネードが見事に取り仕切ります。
わざとらしいポーズで決めるドリーム、背中を向けて振り返るポーズで決めるレモネードに
自然にお願いしますと注文を付け、核心を突く質問には
『その質問はNGです♥』『私達にも解りかねます♥』
と、レモネードが営業スマイルを交えて巧みにはぐらかします。

Q:『皆さんは何故、あんな化け物に立ち向かうんですか?』
A:『ある夢を叶えるために』
Q:『あんな危険を冒してまで叶えたい夢って、一体何ですか?』
A:『それは、大切な人の夢』
Q:『あんな化け物を相手にして、怖くは無いんですか?』
A:『みんなで力を合わせれば、平気だよ!』
その自信に満ちたドリームの答えは、増子さんには眩しく見えました。
そして取材終了後、立去ろうとする5人に、増子さんは最後に質問します。
『私にも、皆さんのような仲間を・・・つくれると思いますか?』
『Yes!』
その答えに、増子さんにもようやく笑顔が戻って来ます。

サンクルミエール通信最新号の記事は、
「フットサル部今野キャプテン独占取材!」と銘打って次回の抱負を記事にしたもので、
今度はりんちゃんも大満足です。
そしていつもの口上を引っさげて元気に登場した増子さんは、
のぞみに心配かけた事を謝り、新聞部を続ける決意を打ち明けました。
さて、今回の紙面には下のほうにプリキュア独占記事も載っているのですが、
のぞみとうららは扱いが小さい事に少々不満そうです。
『ねえ、プリキュアって誰かに似てなかった?』
余計なことを言いそうになるのぞみを慌てて留めるりんちゃん達。
そして増子さんは新聞を取囲む人垣の向こうで
優しく見守っているおタカさんに気付き、会釈を返しました。
今回の紙面にはもう一つ、記事が載っています。それは・・・
「サンクルミエール通信 ステキな新聞記者仲間募集!!」
「詳細は編集長 増子美香まで!」
今はまだ一人ですが、その記事の写真の増子さんは自信に満ちた、
とてもいい笑顔を浮かべていました。


今回は打ちひしがれた増子さんが再び立ち直るというハートキャッチシリーズに通じる展開と、
増子さんの寂しい心理を巧みに描く優れた演出が心に残りました。
前半では特にBGMの使用が抑制され、賑やかな筈の昼休みや
日中の明るい学校にもかかわらず、増子さんが「孤独」だと言う事が強調されています。
そして夕暮れの誰もいない部室に長い影を落とし、過去を回想して涙する増子さんに、
私も過ぎてしまった時間はもう戻らないという事を実感して感情移入してしまいました。

増子さんが抱える事情は、これまで少しずつ小出しにされてきていました。
かれんの独占インタビューの折、「いろいろあって私一人しかいない」と坂本さんに語っており
さらに遡ると「腹ぺこナッツを救え!」でナッツからチラシを受け取る際には、
異様に元気が無く見えます。はっきりとは語られませんが、
ひょっとして最後の部員がいなくなったのがこの日なのかもしれません。
落ち込んでいたところにナッツを見つけ、
そのためにゴシップ記事を書いてしまったというのは少々皮肉な展開ですが・・・

生きている内に、誰かを傷つけない人はいません。
そして、自分の行いを悔やまない人もいません。
そこに立ち止まらず、後悔するだけでなくて何か自分の為になる事を見出し、
ひいては周りのためになる事を見出して立ち直った増子さんですが、
今回の増子さんには珍しくのぞみ達の励ましは届いていません。
立ち直るきっかけとなったのは、無意識にシャッターを切っていた
自分自身に流れる記者魂に気付いた事でした。
人に励まされるだけでなく、自分が何がしたいのか、
どうあるべきかを自分自身で気付いた増子さんは、
最後のプリキュア独占取材と、その後の励ましが無くても自分の生き方に気がついています。
しばらくは一人かもしれないけれど(残念ながら5GoGo終了時まで一人でしたが)
いつか共感する仲間が出来るかもしれないと思わせるラスト、
そして優しく見守るおタカさんの姿からは、このシリーズ随一の温かみを感じました。

その展開をブンビーさんが悪役に徹している事で引き立てています。
部室で増子さんに迫る時はちょっと危ない不審者のような悪人面で(笑)、
建物の影に隠れた増子さんがブンビーさんの変貌する影だけを見るという
ホラー映画のような演出も効果的で、久々に怖いブンビーさんが見られました。
そして一人で何も出来ないと増子さんやプリキュア達を扱き下ろしていたブンビーさんもまた、
5人の結束に負けて一人では何も出来なかったという結果に終わり、
いつもどおりの反面教師としての役割も担っていました。

そして今回からEDがガンバランスのプリキュア5版となっています。
本放送時では未完成のままで、同じく未完成のEDが流れていたマックスハートでは
DVDでも未完成版が収録されていたので
今回再見にあたって購入したDVDでは完成品となっており驚かされました。
今思えば未完成版も味があって良かったかもしれませんが・・・
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 2

まるっさ

例によって今日MXでやってたのですが・・・

やっぱり名作ですね。あと増子さん美人w 王道ながら普段元気なキャラがしおらしいところ見せるのは反則だと思います(笑)。

この回に限らずプリキュアシリーズは総じて『本人のやる気』を尊重させ、プリキュアたちはそのきっかけのみに留まっているところが良いかと思います。 
ハートキャッチ放送中、偶に『プリキュアは何もやってない』という意見を目にしましたが・・・逆に『何をしろと?』と問い正しくなったものです。結局本人の問題は本人にしか解決できないし、逆にその姿が見られるからこそ感動するのだと思うのですが・・・。

しかし・・・ホントこの回の作画・・・特にインタビューシーンのなんか、もう画集でも見てるかのようなすさまじいクオリティだったと思います。

あとED、完成品でしたw ひょっとしたら地味に本編とかも再放送時には修正してるのかな!?


by まるっさ (2012-01-17 20:24) 

スティクス

>まるっささん
良い話ですよね、この回。
絵も美しいですし、これと「1日マネージャー」「イケメン幽霊とデート」が
後半の日常エピソードの中で、私も特に好きです。

>普段元気なキャラがしおらしいところ見せる
確かに、そのギャップがいいですね。
増子さんの騒々しく、やや無神経な面を知るからこそ、
寂しげな振る舞い、そして涙が余計に引き立ちます。
そしてブンビーさんから逃げる際のホラー映画のヒロインばりの活躍など
増子さんの魅力がこれでもかと詰め込まれた一編ですね。

>本人のやる気を尊重
結局のところ、人を助けるとはそういう事だと思います。
例えば恵まれない人々にただ食糧をあげるのではなく、
食糧を育てる方法を教える方が、支援としては的確でしょうし、
手を差し伸べられる側が何かを変えなければ救われません。
そのきっかけを常に作り続けてきたハートキャッチや、
今回のような展開は、人助けとは何なのかを考えさせられます。
そしてご意見のとおり、その姿を体現する彼女達の姿勢が
私達の共感を呼ぶのだと思います。

ところでEDがMXTV放映版でも完成品だったとの事、
DVD版をもとに放映しているのでしょうか・・・?
同様に未完成だったMH初期のEDがどうだったのか、
確かめておくべきでした(笑)
by スティクス (2012-01-17 23:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0