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5GoGo 第17話『たむけんさんの宝物』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

2年前のフレッシュプリキュアにおけるオードリー登場回でも触れたとおり、
私はお笑い方面には極めて疎く、未だにたむらけんじ氏がどんな方なのか知りません。
しかし今回をプリキュアという作品として見た際、
「驕り」と「初心」の何たるかを考えさせる一編へと昇華しています。
そしてオードリー回でのウエスターさん同様、ブンビーさんのピン芸人以上の活躍と、
アナコンディさんとのアドリブらしき掛け合いも楽しめる一編です。
 
うららの新曲発表の前祝いに遅刻してしまい、
のぞみは大急ぎでナッツハウスへと走っています。
曲がり角を曲がったところ、ビラを配っていた男とぶつかってしまいました。
行方不明になった相方を探すビラを配る姿を見て、
心機一転のぞみは手伝いを申し出ます。

『お茶が入りましたよ~』
『お茶は結構・・・』
ひょっとしてアナコンディさんの受け答えもアドリブではないかと思える
ナイトメア本部でのいつものやり取り。しかし、そこから先はいつもの厳しいアナコンディさんです。
とても珍しい物を手に入れたと、ブンビーさんは戦利品を見せるものの、
アナコンディさんはコレクションに値しないとあっさり切り捨てます。
ブンビーさんはその戦利品、獅子舞に残念そうに目を落としました。
せっかく拾った物だけに、捨てるのは惜しまれます。
『何か使い道は無いだろうか・・・?ナイダロウカ?』
わざわざ獅子舞を使ってひとり芝居をした後、ブンビーさんは何かを閃いたようです。

探すなら大勢の方が良いと男の手を引き、ナッツハウスへと走るのぞみ。
『私、夢原のぞみ!よろしくね!』
のぞみの反応を見て、男は何か勘違いしているようで、
人気者のオーラは隠しきれないなどと胸の内で自惚れた後、
ご存知たむけんこと、たむらけんじと名乗ります。
しかしのぞみの反応はごく普通のもので、たむけん氏は肩透かしを食わされました。

ナッツハウスに集まる面々も、のぞみが遅い事を少し心配していますが、
嫌な気配は感じられないとのココの一声で気を取り直し、
鉄板の上に一枚だけ残るホットケーキを巡る争いが繰り広げられます。
そんな折、メルポからたむけん氏の配っていたビラが飛び出しました。
不審に思いながらも、メルポから出て来た以上は意味のある事です。
ナッツは獅子舞と聞いて、大切に守らなければならない伝統芸能だと主張し、
獅子舞の名人が困っているのではと考えていた矢先、のぞみが駆け込んできました。
『みんな!シューマイ探そう!』
・・・シューマイではなく獅子舞。プロの芸人らしく突っ込むものの、
たむけん氏はみんなの反応を見て再び何か勘違いしています。
『ご存知、たむらけんじでございま・・・しぇぇ~~~・・・』
・・・たむけん氏の持ちネタ?と思しき自己紹介に
誇張ではなく本当にナッツハウスの空気がしばし凍り付いた後、
みんな普通にたむけん氏を来客として振舞いました。
みんなのスルーに、たむけん氏も戸惑うばかりです。

ココ達がぬいぐるみのフリで誤魔化し、
うららはどこかでたむけん氏を見た事があると気に掛かる中、
たむけん氏は改めて相方の獅子舞を探していると事情を説明します。
のぞみは張り切ってみんなで探しに行こうと切り出した矢先にお腹が鳴りますが、
ホットケーキはもう一つも残っていないと知り、
妙に笑顔のままりんちゃんやうららに問いかけました。
『・・・無いの?ひとつも・・・?ほんとにほんとに無いの・・・?』
後ろめたさがあるのか、目を逸らすりんちゃんとうらら、
いつの間にか後ろを向いているココ達の反応に、のぞみは笑顔のまま力なく倒れ込みました。

気を取り直し、町に出たのぞみ達はビラを配り始めます。
とはいえ、ビラ配りはなかなか大変な仕事で、そう簡単には受け取ってもらえません。
そこで、小々田先生、ナッツ、シロップを使った客寄せパンダ作戦が展開されました。
イケメンたちの配るビラに、街中の女性が集まったような大行列が出来て、
メガホン片手に行列整理をするくるみの姿に、彼らはアイドルなのかとたむけん氏も驚くばかり。
彼らは教師、アクセサリー屋の店長、友達のシロー君という
一般人と聞いて、さらに驚きが募ります。

ビラを配り終え、今度はこまちが中心となって獅子舞探しを始めます。
あの迷探偵こまちを思わせるように、まず現場に戻る事が鉄則と
自信満々の態度に嫌な予感がしますが、今回は至極全うに行方を辿り始めました。
そして改めて獅子舞をなくした状況を尋ねると、
たむけん氏は途端にしおらしく己を責め始めます。

あの日、獅子舞を使った芸の稽古中、この芸の限界を覚え始め、
スタッフに呼ばれた折に、無造作に獅子舞をロケバスの外に置いて行ってしまいました。
取り残された獅子舞の寂しそうな目を振り切ってリハーサルに臨むも、
芸の限界を相方のせいにした事が後ろめたく、
苦楽を共にした相方と分かれる事などできずに考えを改め、
獅子舞を置いた場所へと戻りましたが・・・そこには獅子舞の姿はありませんでした。
アイツは俺の事を怒っていると力なく首を横に振るたむけん氏。諦めかけたその時・・・
お囃子の笛の音と共に、木立の間から獅子舞が姿を現しました。

『とうざ~い、東西!数々の貴重品を揃えるエターナルからやって来たこの獅子舞は、
 エターナルにあの偉大なるローズパクトをもたらすと伝えられております。
 なにぶん稽古不足にて、真に未熟ではございますが、力一杯相務めまする。
 では左様早速のはじまりぃ!』
匠の技とも言える見事な口上と獅子舞捌きを披露するも、
のぞみにエターナルと名指しされて、正体を見破られた事に狼狽するブンビーさん。
口上の合間に、自分で名乗っていた事をすっかり忘れている体たらくですが、
ブンビーさんが被っている獅子舞こそがたむけん氏の相方でした。
『俺の相方を返せ!』
『返せだぁ?私は捨ててあったのを拾っただけだ』
大切な相方を置き去りにした裏目もあり、たむけん氏は返す言葉もありません。
『こいつだってお前のような裏切り者のところには帰りたくないと言っているぞ!カエリタクナイ!』
わざわざ声色を使って挑発するブンビーさん。
芸達者な一面を見せるも、ナイトメアの刺客である事には変わりありません。
こいつは私の相方だと獅子舞をホシイナーと化し、
そしてホシイナーは捨てられた恨みを晴らすようにたむけん氏に狙いを定めます。
たむけん氏の目がある前ですが、やむなく変身する6人。

驚くたむけん氏の前で、プリキュア、ローズとホシイナーの激闘が繰り広げられます。
しかし獅子舞の歯は固く、その奥に潜むホシイナー本体には攻撃が届きません。
ファイヤーストライクが、サファイヤアローが弾き返され、苦戦を余儀なくされる中、
小々田先生に匿われていたたむけん氏が飛び出し、相方へ懸命に訴えかけます。
ブンビーさんにはお前の相方ではないと扱き下ろされても、
たむけん氏は相方とのこれまでの日々を思い起こしながら、熱い想いをぶつけました。
工事現場のバイトをしながらの下積みの日々、狭いアパートの小部屋で過ごした日々、
ただひたすらに駆け抜けた日々、そして舞台上で共に過ごした日々。
その傍らにはいつも、相方の獅子舞がいました。
『お前は、俺の相方や・・・分かったら返事せんかい!!』
その言葉に、つい口を開けてしまう獅子舞。奥のホシイナーボールがむき出しになります。
すかさずプリズムチェーンで縛り上げ、
逆襲に転じようとするブンビーさんをエメラルドソーサーで牽制し、
そしてシューティングスターでホシイナーを撃退、無事に元の獅子舞へと戻りました。
せっかく相方が出来たと思ったのに・・・
ブンビーさんも残念そうに撤退していきます。

たむけん氏は落ちてくる相方を懸命に追いかけ、必死に手を伸ばしますが、届きません。
と、シロップが飛んで受け止め、少年姿へと戻って獅子舞を手渡しました。
『大切な物は絶対に手放すな。大事な物ほど、すぐに失くしてしまうんだ』
無事に戻った獅子舞を手にして、たむけん氏は感無量の表情で頷きます。
そしてプリキュア達とローズは、ここで見た事は秘密だと念を押しました。
たむけん氏も、弱音を吐いた事を秘密にしてもらい、
共通の秘密を得たみんなが和やかに笑い合う声が響き渡りました。

後日、たむけん氏が出演する番組を観ようと、ナッツハウスに陣取るみんな。
テレビに出るくらい有名な、匠の獅子舞さばきをとくと堪能しようとした矢先、
画面に現れるのは・・・
妙な髪形、サングラス、そして締込み姿の半裸の男。
しかも露になった上半身に、ご丁寧にも「プリキュアありがとう」などと書かれています。
『プリキュア~シュティング・・・すチャ~・・・』
みんなの目が点になる中、うららはようやく引っかかっていたものを思い出しました。
「たむらけんじ」とは、芸人の「たむけん」の本名だという事。
テレビの向こうではプリキュアをネタにした芸が繰り広げられていますが、
細かい事は気にせずに、のぞみは素直にたむけん氏が立ち直った事を喜びました。


(注:以下「たむけん」「たむらけんじ」氏については、あくまで作中の人物としての評です)
お笑い芸人とのコラボの必然性や、本職の声優さんでない事による演技力の欠如など、
本放送以来、私はこのエピソードにずっと批判的な印象を抱いていました。
そのため再見にあたり、辛い評価になってしまうかと思っていましたが、
むしろ再見によって評価を高めた一編となりました。

前述のように、私は本当にお笑い方面に疎く、たむけん氏の持ちネタに関しても全く知らず、
そしてポーズを取りながら「チャ~」と決める様もどこが面白いのかすら理解できませんでした。
単純に笑える描写では、よほどブンビーさんとアナコンディさんの掛け合いや、
ブンビーさんの見事な獅子舞さばきと口上、
(はからずもナッツが望んでいた伝統芸能はブンビーさんが披露してくれました)
ホットケーキが無いと知った際ののぞみの反応の方が楽しめてしまった程で、
芸人さんのギャグに張り合おうと製作側がふんだんに仕込んだと思われる
テンポの良い笑いの要素の数々は素直に楽しめました。
ホットケーキを巡っての攻防や、一瞬嫌な予感が走る迷探偵こまち、
そして半裸のたむけん氏を観て恥ずかしいのか顔を覆いながらも、
しっかり指の隙間から男の半裸を観ている乙女なりんちゃんなど、
各登場人物の個性も楽しめます。

さて、作中のたむけん氏の姿からは、途中までは驕りが伺えます。
自分が有名人だと意識して、のぞみ達の反応が無い事に戸惑ったりするのは最たるものです。
私もビラ配りの経験がありますが、配る側が真剣に配らないと受け取ってもらえないものです。
たむけん氏も決して本人は手を抜いているつもりは無いと思いますが、
芸能人の俺が配ってるんだから受け取れよ、というような考えがあったのではないでしょうか。
小々田先生たちのビラ配りの反応を見て、
芸能人ではない普通の(普通ではないですが)人々の方が受けが良い事を
目の当たりにしたあたりから、驕っていた事に気付いたように思えます。

もう一つ印象深いのは、初心に還るというテーマが描かれている事です。
多くの芸人さんは、自分の芸風を貫く事と、芸の幅を広げる事、
相対する2点の間で悩む事でしょう。
しかし、ウケなくなった事を周りのせいや、ましてや物のせいにしては
それ以上の成長はありません。
のぞみ達のひたむきな姿を目の当たりにして、
かつて駆け出しだった頃のひたむきな姿を重ね合わせる描写から、
私も改めて仕事に対して驕っていなかったか、
そしてこのサイトを続けていくうちに、初心を失っていないか等、
色々と考えさせられるものがありました。

ラストでプリキュアの事をネタにして、あっさりと秘密の約束を破る等、
気になる点がある事も確かです。
しかし、気になる点ばかりを指摘するのではなく、
良いと思ったことを積極的に取り上げて行きたいと、
私にとってもこれから先の再見や、
スイートの視聴に対する心構えが新たになったような気がしました。
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