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映画 Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険! [プリキュア劇場版]

"どうして・・・?どうして笑っていたの?
教えて。仲間といる時、あなたはいつも笑っていた。どうしてなの?"

"私には・・・大好きなんか人なんかいないッ!!"

"楽しくて笑っちゃうとか、一人が寂しいとか、大好きな人が大切だとか・・・
そんなのまだ習ってないよ!!"

"私、どうしたら笑う事が出来るのか、わからなかったけど・・・"

 
『みんなー!!!こーんにーちわー♥!!!』
開幕早々、ココとナッツはスクリーンの前のお友達に、
もっと大きな声で挨拶しましょうと呼びかけて、
こんなに大勢の皆さんに来てもらって、とっても嬉しそうです。
そして小々田先生として、大人のお客様へのお礼と配慮も忘れません。
渋るナッツを促し、ぎこちない態度を改めるべく、くんずほぐれずのもみ合いを始める2人は
腐女子の妄想をかきたてる(笑)やりとりに夢中で、ミルクの諌める声も耳に入りません。
ミルクは見かねて金たらいを落とすという古典的手法をとって場を収め、
気を取り直してミラクルライトの説明を始めます。
これは劇場内で奇跡を起こす事ができる大事なアイテムですが、
プリキュアがピンチの時にこそ使うもので、間違っても関係ない場面で使ったり、
光を間近で覗き込んだり、ましてや振り回したりしてはいけません。
実際、不用意にミラクルライトを振り回していたナッツは手を滑らせ、
飛んで行ったミラクルライトがココの頬をかすめて流血の大惨事に・・・
『ココォォォォォオオオオオオオオ!!!』
可愛いココが思わず劇画調で泣き叫んでしまう程危険なので、
良い子のみんなは真似してはいけません。
さて事前の注意事項はここまでで、いよいよ本編のはじまりはじまり~。


玉座を前に跪く双子の妖精、ミギリンとヒダリン。
彼らは玉座に腰かけているシャドウの命により、プリキュアの姿を入手して来ました。
ミラクルライトで見つけ出したのぞみの姿を鏡に映し出す2人。
その姿を見たシャドウはその姿と力を貰い受けると豪語し、
傍らのクリスタルにのぞみの姿を映し込みました。
『見なさい。世界を絶望に沈める、闇の戦士の誕生を・・・』
クリスタルの中で、新たな生命が生まれます。
その姿は鋭い目と黒を基調とした衣装が異なるものの、ドリームに良く似ています。
野望を手にするための尖兵の誕生を祝すシャドウの高笑いが、ここ鏡の国に響き渡りました。

その頃のぞみは、ナッツハウスで暇を持て余していました。
りんちゃんが提案するフットサルも、うららが提案するTVも、
こまちが提案するトランプにも食指が伸びず、かれんが提案する宿題に至っては論外。
そんな折、ココはドレスを着てお姫様気分を満喫できるテーマパーク、
プリンセスランドのチラシを提示しました。
お姫様になれると知って、のぞみは目を輝かせて興味津々。
みんなもちょっと恥ずかしいけれど、憧れる一面はあります。
そして、みんなでプリンセスランドへ遊びに行く事に決定しました。

ゲートを通ってドレスを選び、ドレスに着替えるとみんないっぱしのお姫様のようです。
(約一名、女王様がいますがうわなにをするやめあqwせdrftgyかれん)
ドレスの裾を翻し、5人は張り切って園内へと繰り出します。
小々田先生とナッツも着替えを済ませ、さながら絵の中から抜け出した王子様のよう。
楽しいひとときが始まろうとしています。が・・・
その頃、園内を見下ろす屋根の上に、ゴスロリ風衣装を纏った少女が姿を現しました。

『ご覧になって、お姉さま。今朝、ピンキーをキャッチュしましたの』
『まあ、可愛らしいピンキーですこと』
すっかりなりきったお姫様口調で、ピンキーをキャッチュした事を報告するうららと、
それを褒めるこまち、かれん、そしてミルクの妙な笑いが響き渡ります。
『ヲーッホッホッホッホッホッホッホッホッ・・・』『ヲーッホッホッホッホッホッホッホッホッ・・・』
『ヲーッホッホッホッホッホッホッホッホッ・・・』『ミールミルミルミルミルミルミルミルミル・・・』
この状況下で、りんちゃんだけは相変わらず冷静です。
かれんにお姫様というよりも女王様と言う的確なツッコミを入れて
追いかけっこに興じていると、不意にのぞみが現れて2人を驚かせました。
そんな中、向こうからやって来る小々田先生とナッツはまさに王子様そのもので
人々の注目の的です。のぞみは小々田先生も驚かせようと、そっと後ろに回りこみますが、
逆に小々田先生に見透かされて失敗に終わりました。
『何か感じるんだ、のぞみの事』
つまらないとほっぺたを膨らませてむくれていたのぞみも、
小々田王子様にエスコートされると気を取り直し、腕を組んで歩き始めますが・・・
のぞみ達、そしてみんなとすれ違い様、あのゴスロリ少女が
刺す様な眼差しでこちらを睨みつけました。

おいしいものを食べ歩いたり、宮殿内の様々な鏡に興味を持ったりと、
楽しいひとときを過ごすみんな。
横長に見える鏡の前で、そんなナッツの姿を見たくないと押しのけるこまちも、
合わせ鏡の間では黒こまちの本領を発揮します。
合わせ鏡の中から出てくるもう一人の自分という怪談話を始め、
すっかり怯えたりんちゃんの悲鳴が館内に響き渡る等、
そんなこんなで鏡の間を後にするみんな。ところが・・・
のぞみが通り過ぎた後の鏡には、あのゴスロリ少女の姿が映っていました。

お次にやって来たのは鏡の迷路。
のぞみと小々田先生はどこへ隠れても見つける、
どんな姿でも、どこに居ても見つけると、ちょっといい雰囲気です。
ところが、背後の鏡に怪しい影が映り・・・
いつの間にか迷路の中で小々田先生とナッツはみんなと離れ離れになっていました。
それでもどちらが先にゴールするか競争だと、この時点ではさほど危機感はありませんが、
鏡の中からミギリンとヒダリンが忍び寄り、鏡の中の2人に憑りついて・・・
そして5人に遅れる事しばらくして、迷路を出てくる小々田先生とナッツからは、
どこかザラッとしたような妙な雰囲気が漂っていました。

さてお次は人気アトラクション、お花畑で追いかけっこ。
かれんが「意味が分からない」と漏らすのも当然の微妙なイベントではありますが、
のぞみ、うららが捕まる中で、りんちゃんはヒールを履いているにもかかわらず、
巧みな身のこなしと足の速さを披露して、並み居る王子様たちを寄せつけず
ぶっちぎりの優勝を勝ち取りました。
もっとも、誰も男の人たちが寄り付けなかった事には複雑そうな乙女心が伺えますが(笑)
ところが、商品の花束をナッツハウスへ提供したいと申し出たところ、
ナッツの反応はひどく冷たいものでした。
小々田先生ものぞみを冷たくあしらい、唐突にドリームコレットを見たいと口にします。
疑いも無くドリームコレットを取り出すミルクを前に、腹黒い笑みを浮かべる小々田先生。
池の対岸であのゴスロリ少女が見つめる前で、
小々田先生の手が今まさにドリームコレットに掛かろうとしますが・・・

『あなた誰?あなたはココじゃない』
のぞみの知る小々田先生は、呼んだら必ず真っ直ぐ見てくれるのに対し、
今の小々田先生は目を逸らしています。
小々田先生、そしてナッツを偽者だと指摘すると同時に、黒雲が立ち込め始めました。
吹き付ける突風に煽られ、ゴスロリ少女の手から離れた風船が、暗い空を彩ります。
コワイナーの仮面を取り出す偽小々田先生と偽ナッツ。
これをつければプリキュアにも勝てると仮面を被り、
たちまちコワイナーと化す2人を前に、変身する5人。

ゴスロリ少女が見守る前で、プリキュアとコワイナーの戦いが繰り広げられます。
弱くは無いものの、さほど強力な相手ではなく、比較的優勢に戦いが進められますが、
5人そろって突撃しようとした矢先、ゴスロリの少女が掲げる鏡に、
ルージュの、レモネードの、アクアの、最後にミントの姿が映し出され、
その姿と力はそれぞれシャドウの傍らのクリスタルへ。
そして、シャドウの高笑いと共にクリスタルの中に新たな生命が宿りました。
目的を達成したゴスロリ少女も、シャドウの命に応じてプリンセスランドから姿を消します。

そうとは知らず、コワイナーとの戦いを続ける5人。
仮面を2つ同時に壊そうと提案するアクアに続いて、反撃開始。
ドリームとルージュの突き、レモネード・ミント・アクアの蹴りが畳み掛けられ、
ルージュファイヤーとアクアストリームによって、2つの仮面は見事叩き落されました。
消え失せるコワイナーの後から、妙に弱そうな2人が姿を現します。
懸命に可愛さをアピールして、幽体離脱からの蘇生などと少々寒いネタでごまかしながら、
逃げ去ろうとするミギリンとヒダリンの2人は、ルージュにあえなく首根っこを掴まれました。

ミギリンとヒダリンは自分達も騙されていたと主張しながら、
ナッツハウスで涙を流して土下座して謝りますが、イマイチ胡散臭さが感じられます。
ココとナッツの行方を問い詰めるのぞみに対しても、
言ったら怒られるなどと及び腰のミギリンとヒダリン。
そんな時、ミルクの堪忍袋の緒が切れました。
『ブツブツ言ってないで!白状するミル!ココ様と、ナッツ様は、どこミル!!!』
その迫力に圧されて、ミギリンとヒダリンは鏡の国から来た事や、
ココとナッツを鏡の国へ連れ去った事を白状しました。
のぞみ達は鏡の国へ向かうため、夜中の2時に再び集まります。
(中学生がこんな夜中に出歩いちゃいけませんよ)

鏡にミギリンとヒダリンの持つミラクルライトの光を当てる事で、
のぞみ達とミルクは鏡の国へと誘われます。
しかし鏡の国はシャドウにクリスタルを奪われたことで荒廃しており、
ミギリンとヒダリンはコレットと引き換えにクリスタルを返すという甘言に釣られて
ココとナッツを拉致するという行為に手を染めたのでした。
ミルクは大事な宝物を盗まれた上に言いなりになっている事を情けないと一喝するも、
ミギリンとヒダリンは言い訳に終始し、弱腰な態度を露にします。
そんな中、唐突に今回の黒幕、シャドウが直々に姿を現しました。
緊張が高まる中、慇懃無礼に自己紹介するシャドウ。
その目的は、コレットの力で全世界を手に入れる事です。
5人はシャドウに促されるような形で、2度目の変身を遂げます。が・・・

いざ、シャドウに立ち向かおうとしたその時。
『私がお相手するわ・・・』
シャドウの背後からあのゴスロリ少女が、そして奪われたクリスタルが姿を現します。
まるで鏡に映った自分を見るかのように驚くドリームの前で、
ゴスロリ少女はダークドリームへと姿を変えます。
『そう、私はあなた・・・』
同時にクリスタルが砕け、その中からもみんなに良く似たもう一人のプリキュア達が現れました。
『あんた達の相手はあんた達自身よ』
一斉に目を見開くダークプリキュア達は、5人の背後に現れる鏡に、
それぞれのオリジナルのプリキュア達を引きずりこんで行きます。

『どうして・・・?どうして笑っていたの?
 教えて。仲間といる時、あなたはいつも笑っていた。どうしてなの?』

煌々と満月が照らす遊園地、観覧車の上に招きいれられたドリームに、
遊園地でののぞみが楽しそうに振舞っていた事への疑問を口にしました。
『どうしてって、あなたそんな事も分からないの?』
ドリームの返答を聞いたダークドリームは、苦々しく言い放ちます。
『キュアドリーム・・・あなたって目障りだわ!』

『面倒臭いよねぇ。仲間とか友達とかって・・・
 一人なら自由だよ?何も我慢しなくていいんだよ?』

無数の球体が浮かぶ宇宙空間のような世界に招き入れられたルージュに、
かつて絶望に落ちた際に味合わされたような言葉が、ダークルージュによって掛けられます。
『別に、我慢なんかして・・・』
否定しようとした矢先、心の奥を見透かすように即座に畳み掛けるダークルージュ。
『してるでしょ!?』

『春日野うらら。夢は女優になって、みんなを喜ばせる事。
 うふふ♥ おっかしいの。他人なんか喜ばせたって、何の得にもならないじゃない』

人気の無い夜の街へ招き入れられたレモネードには、
その夢を嘲笑うようなダークレモネードの甘いささやきが掛けられました。
『そんな事無いわ!みんなが喜んでくれれば、私嬉しいです』
一度は反論したものの、あくまで夢を笑顔で語るレモネードを、
まるで小悪魔のように笑いながら否定するダークレモネード。
『くっだらない。人の事より、まず自分が勝てるか考えたほうがいいわよ。うふふ♥』

『貴女は優秀よキュアアクア。一人で充分・・・
 あんな使えない子たちなんか、足手まといになるだけでしょう?』

風に花弁が舞い散る月夜の草原に招き入れられたアクアに、
ダークアクアは冷たく、しかし冷静に言い放ちます。
『足手まといなんかじゃない!みんな大切な友達よ!』
拳を握り締め、激しく反論するアクアに愛想を尽かすように、
小馬鹿にしてかかるダークアクア。
『せっかく忠告してあげてるのに、弱い者ほど群れるものね・・・!』

『守る力って、全然役に立たないわね・・・。あなたも思ってるでしょ?損だって』
人気の無い夜の公園に招きいれられたミントの力を否定するように、
ダークミントの甘い声が掛けられます。
『そんな事思ってないわ!』
即座に否定するミントを威嚇するようにダークミントの放つ力が
ミントの顔をかすめて背後の柱を砕きました。
そして邪悪な笑みを浮かべ、ミントに本音を言わそうと囁きかけるダークミント。
『本当の事言いなさいよ・・・仲間なんかどうでもいいって・・・!』

五者それぞれの戦いの火蓋が切って落とされます。
ダークドリームと観覧車の上で猛打の応酬を繰り広げたドリームは地に叩きつけられ、
何とか着地したところに、すかさずダークドリームの重い一撃が迫ります。
こちらも辛うじて避けたものの、ダークドリームは執拗に追ってきます。

ダークルージュが放つ無数の火の玉、ダークネスファイヤーを、
球体を飛び移りながら文字通り火の粉を払うように避けるルージュ。
その先を読むように、ダークルージュの攻撃が追いすがります。
『無駄な足掻きよ!』

ダークレモネードが鋭い蹴りと共に繰り出すダークネスフラッシュに、
レモネードは逃げ惑うばかり。
『うふふ♥ 逃げろ逃げろッ!』
愛らしい外見と声とは裏腹に、獲物を楽しんで追い込むような冷酷さを露にして
ダークレモネードの足技が執拗にレモネードを襲います。

防御主体のミントとは対極に、ダークミントは強力な攻撃技を駆使して襲ってきます。
ミントプロテクションを張り巡らすも、ダークミントの放つ光弾、
ダークネススプレッドによってあっさりと打ち破られ、たちまち追い込まれるミント。

そしてクールな外見の2人、アクアとダークアクアは徒手空拳の格闘を繰り広げます。
アクアを翻弄するように軽々と身をかわし、文字通り一蹴するダークアクア。
皆苦しい戦いを強いられています。

『同じ姿、同じ力なら負けないとでも思ってたかしら?』
『でも正確に言うと、全く同じじゃないのよ』
『私達はシャドウ様に作られた存在だから、疲れるって事が無いの』
『友情なんて、弱い心も無い』
『わかったかしら?あなた達が勝つ事は無いのよ。絶対に・・・』
ダークドリームはドリームを脅すように顔のすぐ横の壁を打ち据え、
冷酷な目を浮かべて、甘く囁くように言い放ちました。

鏡を通してプリキュアの窮地を目の当たりにするミルクに、
シャドウは改めてコレットを要求します。
その時、これまで負け犬そのものだったミギリンとヒダリンが、
ミルクを守るように割って入りました。
とはいったものの、シャドウが相手ではまるで勝負になりません。
コレットはミルクのキャリーケースから奪い取られ、ついにシャドウの手に落ちました。
もはやミルクやミギリン、ヒダリンに構うまでもなく宮殿へと引き上げるシャドウ。
玉座の間にある鏡の中に囚われたココとナッツが懸命に体当たりしますが、びくともしません。
ココ達はシャドウの手の内にコレットがあるのを認めておののきながらも、
ピンキーを揃わない限り願いは叶わない事に希望を託しますが・・・
そこはシャドウにも抜かりはなく、世界中の鏡を通じてピンキーを瞬時に回収する事ができると、
鏡の国に目をつけた理由を明かします。
事実、水鏡であったり、姿見であったり、あらゆる鏡の前のピンキー達が
シャドウの呼びかけの下、続々と集まってきました。
もし世界が支配されてしまったら、のぞみが笑顔でなくなってしまうと懸念するココ。
その時、のぞみ=ドリームは・・・

観覧車の下、ダークドリームの一方的な攻撃に防戦一方です。
それでも折れそうな心を繋ぎとめ、反撃に転じようとした矢先、
ドリームの隙を突いたダークドリームの強烈な一撃が叩き込まれました。
同じ頃、皆それぞれも苦しい戦いを強いられています。
『みんなの、ところへ・・・行かなくちゃ・・・』
『行けないよぉ♥ 私に勝たないとねっ★』
悪戯っぽく笑うダークドリームを前に、
ドリームはよろめきながらも、荒い呼吸を整えて立ち上がりました。

『それじゃあ、頑張って自分を乗り越えなくちゃね!』
ドリームの前向きな姿に戸惑いながらも、同じ力を持つ私を倒す事は出来ない。
ダークドリームはそう言い返しますが・・・
『それは違う!私は、ずっと同じ私じゃないの!』
ダークドリームの拳を見据えてかわし、回り込み、蹴りを受け止め、
ドリームの反撃が始まります。
『昨日の私より!一時間前、一分前、一秒前、そんな私より!もっと良い自分になりたい!』
逆らうように無数の光弾を叩き込むダークドリームですが、
煙が晴れた向こう、真っ直ぐに立つドリームに息を呑みました。
『私には、私達には、叶えたい夢があるから!
 ・・・だから頑張って、成長して古い自分を越えていくんだよ』

ドリームはまるでダークドリームを諭すように、笑顔で語りかけます。

『自分を越える?そんな事出来る訳ないのに!馬鹿馬鹿しい』
『本当、また無茶な事言ってさ。でも・・・!私も同感だわ!』
ダークルージュの拳を受け止め、そのまま腕を掴んで豪快に振り回すルージュ。
この苦しい時、ドリームがどこかで頑張っているのに、ルージュが頑張らない訳には行きません。

レモネードシャイニングを軽々と足一つであしらい、余裕の笑みを見せるダークレモネード。
しかし煙が晴れた時、その笑顔は凍りつきました。
『私、そろそろ失礼します。ドリームが呼んでいるので!』
いつの間にかダークレモネードの背後に回りこんでいたレモネードも、
ドリームが呼んでいる以上、足踏みをしている訳には行きません。

『いい加減に倒れたらどうなの!?』
ダークミントの猛攻は留まることを知りませんが、ミントは守る力のみで対抗し続けます。
『私は、みんなの思いや大切な気持ちを守りたいの!』
息を呑むダークミントに、言葉を切って続けるミント。
『あなたは守りたいものはあるの?』

『自分を越える?口だけなら何とでも言えるわ!』
ダークアクアが作り出す剣、そこから繰り出される衝撃にたじろぎながらも、
アクアは踏みとどまって問いかけます。
『あなた、友達はいる?』
その問いに、友情を否定して、一人で充分だと言い放つダークアクア。
しかし今のアクアは一人ではありません。
『私はいるわ。一緒に笑ったり、泣いたり、喜んだり悲しんだり出来る、大切な友達が・・・
 一人で充分な訳ない。そんなんじゃ、成長できないわ!』


5人がそれぞれ自分を越えるべく戦っている時、ミルクもまた負けてはいません。
すっかり怖気づいているミギリンとヒダリンを一喝。
ミルクの国パルミエ王国も同様に滅ぼされてしまった悔しさを口にして、
自分の国を取り戻したいならちゃんと考えろと叱り飛ばし、
ココとナッツを助け、コレットを取り戻すべく単身シャドウの居城へと走っていきます。
宮殿内の回廊を駆け、危うくに石に躓いて転びそうになるミルク。
しかし、ミルクの姿に打たれて後を追って来たミギリンとヒダリンが支えます。
コレット奪還へ向かう姿は1人から3人へ。しかし、その間にもピンキーは続々と集まってきます。

戦いは攻守逆転、一方的にドリームの攻撃を受け続け、
蹴り飛ばされ、地に叩きつけられるダークドリーム。
『大好きだから。りんちゃん、うらら、こまちさん、かれんさん、それに、ナッツとミルクと、ココ。
 大好きなみんなのためなら、私頑張れるから』

どこからそんな力が出るのか問うダークドリームに答えるドリームは、
観覧車のイルミネーションに照らされて、穏やかに美しく輝いています。
『大好きなみんなの為なら、私は絶対、負けないんだから!』
溌剌と言い放つドリームの姿を目の当たりにして、
ダークドリームは自分に無いものを残酷に実感してしまったのでしょうか。
『私には・・・大好きなんか人なんかいないッ!!』
慟哭と共に胸の内を叫ぶダークドリーム。そして・・・

『私はあんたの力とシャドウ様からもらった力を持ってるんだ。
 だから、あんたに勝ち目は無いんだよ!』

持てる力の全てを集めた炎を生成するダークルージュ。
その炎が強い意志がみなぎるルージュの顔を美しく照らします。
『そんなの関係ないわ。だって、友達が、私を待っているから』
『世迷言を言うな!』
ダークルージュの渾身の炎と真っ向からぶつかり合うルージュバーニング。
そして、炸裂する炎の中にダークルージュの悲鳴が響き渡り・・・

互いに徒手空拳の戦いを繰り広げるも、
次第に追い込まれていくダークレモネードは、起死回生の攻撃に転じました。
『私の歌で、とどめを刺してあげるわ!』
ダークレモネードの歌、強烈な破壊の音波が周囲を歪める中、踏みとどまるレモネード。
『歌はみんなを楽しませるもの。そんな風に使うものじゃないわ!!』
音波を跳ね返して迫るレモネードシャイニングをまともに浴びて、
悲鳴とともに消滅するダークレモネード。後には黄色のクリスタルを遺して・・・

『誰だって、自分さえ良ければいいと思っている・・・』
ミントはそう主張するダークミントを、まるで憐れむように見つめました。
『あなただってそう、自分のことだけ守っていればいいの。
 守る力なんて、何の役にも立たないのよ!』

全身全霊の力をこめてぶつかってくるダークミントの拳を、
ミントは自分の力の意味を宣言しながらミントシールドで受け止めます。
『これは、大切なみんなを守るための力よ!守りたい人が居るから、強くなれるの!』
跳ね返された力、そして守りの力の反作用が強烈な波動となってダークミントを襲い・・・
悲鳴とともにくずおれるダークミントに駆け寄り、優しく抱きとめ、そして涙するミント。
『ごめんなさい。私はあなたの事だって、守りたかった・・・』
その言葉を聞いて涙を流し、ミントに抱きとめられたまま静かに消えてゆくダークミント・・・
後に遺るクリスタル手にしたミントの目にも、悲しみが宿っています。

『愚かなる者、キュアアクア。これで最後だ!』
大剣を作り出すダークアクアに、アクアはかつての自分自身の姿を重ねていました。
『私は何でも一人で出来ると思い込んでいた。本当に愚かだったわ。でも・・・』
アクアリボンを剣に変え、ダークアクアの剣に真っ向から切り結ぶアクア。
『でもみんなに、のぞみに出会って私は変わる事が出来た。
 だから、私は自分を、あなたを超えていく!』

月明かりの下、花弁が舞い散る中で繰り広げられる壮絶な剣戟。
勝敗の行方は、ダークアクアの剣を受け流し、蹴りつけ、
すかさず叩き込むアクアストリームによって決しました。
アクアストリームの奔流を浴び、悲鳴をあげて消えてゆくダークアクア・・・
草原に墓標のように遺る青いクリスタルを見るアクアの目もただ悲しく、
ダークプリキュア達へ捧げる哀歌のような重々しい旋律が流れる中、
4人の闇の戦士達がクリスタルへと還りました。

『私はシャドウ様にお前を倒せと言われたんだ。私はそれしか知らない・・・』
同じ姿のコピーなのに、あまりに違う環境、考え方、そして大好きな人の存在。
夜の遊園地に、ダークドリームの涙声がこだまします。
『楽しくて笑っちゃうとか、一人が寂しいとか、大好きな人が大切だとか・・・
 そんなのまだ習ってないよ!!』

どうにもならない想いを篭めた渾身の光弾を、笑顔で軽々と弾くドリーム。
『大丈夫だよ、きっと分かるよ。だってあなたにも、ちゃんと心があるんだから』
『こころ・・・?』
既に勝負は決しました。膝をつき、肩を震わせて泣くダークドリームに手を差し伸べ、
ドリームは敵ではなく「友達」として迎えます。
『ここから一緒に出よう。ね?』

それぞれクリスタルを手に鏡の中から戻り、互いの無事を喜ぶみんな。
あとはドリームの帰還を待っていると、
果たしてドリームが連れて来たもう一人を見て皆も驚きを隠せません。
『ドリーム、その子は?』
『私の友達だよ』
ドリームの言葉に、警戒を隠せなかったダークドリームも意外そうです。
しかし説明は後回し。今はとにかくシャドウの野望を阻止する事が先決であり、
ドリームを先頭に宮殿へと急ぐ「本物の」プリキュア達の後に、
ダークドリームもためらいがちに続きました。

コレットに次々とピンキーが吸い寄せられる中、
玉座の間に駆けつけたミルクは鏡に囚われたココとナッツを目の当たりにします。
しかしミルクでは当然相手にならず、シャドウの一撃が容赦なく襲い掛かりますが・・・
その一撃はミントが防ぎ、晴れた煙の向こうにはダークドリームを加えた6人の姿がありました。
しかし、事態は最悪の事態を迎えようとしています。
既にコレットにピンキーが全て集まったと宣言し、コレットの力を解放するシャドウ。
『この私を、キュアローズガーデンへ連れて行け世界の支配者にしろ!』
シャドウの高笑いが響き、光を失ったコレットがドリームの前に転げ落ちてきます。
ところが何も変わったようには思えません。
事実シャドウには未だ全てを支配する力など備わっておらず、その理由は単純そのもの。
実はピンキーは全て集まっておらず、冒頭でうららが見つけた一体が、
まだレモネードのキャッチュの中に収まっていました。
シャドウは自信たっぷりだっただけに、一転ココとナッツにも馬鹿にされる程惨めな有様です。

それがシャドウの怒りに火をつけました。
容赦なくダークドリームのお腹を殴り飛ばし(これはヤバいのでは・・・)
ドリームの動きを封じて並み居る4人をたちまち一蹴。
『これでプリキュアの伝説も終わりね。消えなさい!』
身動きの取れないドリームに迫るシャドウの拳。まさに間一髪のその時、
身を挺してドリームの庇ったのは、他ならぬダークドリームでした。

シャドウの拳を受けてひび割れる胸元のクリスタル。
ドリームは倒れたダークドリームを抱えて真意を問います。
『何で私を助けたの!?』
『何故かしらね・・・大好き、だからかな・・・?』
ダークドリームはドリームの腕の中で、初めて見せる安らいだ表情を浮かべて答えました。
『私達、違う形で出会っていたら良かったのに。ダメかな?私、偽者だし・・・』
『本物とか偽者とか関係ない!あなたはあなたで、私の友達だもん!』
ドリームはダークドリームの手を取り、励ますように言葉をかけますが、
その「友達」は今まさにその生命を終えようとしていました。
『私、どうしたら笑う事が出来るのか、わからなかったけど・・・』
うっすらと光を放ちながら、今際の際に安らかな笑顔を浮かべて、
ダークドリームは静かに消えてゆきました。
ドリームの手の中に、ひび割れたクリスタルを遺して・・・

『シャドウ!!私、あなたを許さない。あの子は私の、大切な友達だったんだよ!』
ダークドリームを裏切り者と罵り、鼻で笑うシャドウに、
クリスタルを抱き嗚咽を漏らすドリームの怒りが爆発。
先ほどとは打って変わって、目の覚めるような猛攻を畳み掛け、
間髪を入れずクリスタルシュートを叩き込みました。
シャドウは無様に吹き飛ばされ、ココとナッツもミラクルライトで開放されます。
もう会えないと思ったと泣き付くココを、ドリームは優しく諭しました。
『私、ココがどんな姿になっても、どこにいても見つけられるって言ったでしょ。忘れちゃったの?』
感涙に咽ぶココ。しかし、まだ終わりではありません。

シャドウは再び立ち上がり、ドリームへの恨みを異常に燃やし、巨大化して立ちはだかりました。
その体格差に文字通り一蹴されるプリキュア達。
『今度こそプリキュアの伝説はここまでだ。これからは私が、新たな伝説になる』
猛烈な波動が襲い掛かろうとしたその時、
ミギリンとヒダリンが割って入り、ミラクルライトの力でかき消します。
お前なんか怖くない、お前の言いなりにはならないと、
プリキュア達とミルクから教わった勇気を見せ付けるミギリンとヒダリン。、
確かに彼らは非力ですが、プリキュアから勇気を貰ったのは紛れもない事実です。

今こそミラクルライトを灯し、プリキュアに力を与える時。
文字通り皆が一体となって(劇場のお友達も一緒になって)
みんなの力が5人を蝶の羽根を持つスーパープリキュアへと変貌させます。
そしてミルクがドリームの二の腕にしがみつき、
おなじみのファイブエクスプロージョン。この流れではシャドウに勝ち目はありません。
『これは、私達だけの力じゃないのよ!』『みんなの応援が、力をくれたんです!』
『みんなの心が一つになれば』『みんなの勇気が一つになれば』
『私達は、強くなれる!』
みんなの力、勇気の力を前に、遂にシャドウは倒されました。

蝶の羽根を羽ばたかせて、クリスタルを台座へと収めるプリキュア達。
ドリームが収めるピンクのクリスタルには、あの時ついた傷が残ったままです。
鏡の国の住人達も開放され、
元に戻った国土を前に、ミギリンとヒダリンは誇らしげに頷きます。

ミギリンとヒダリン主催のパーティが始まる前、
のぞみはココと共に再びクリスタルが収まる台座を訪れました。
『あの子と、友達になれたのに・・・』
ひび割れたクリスタルを見上げ、後ろ髪を引かれるようなのぞみを、ココは優しく慰めます。
『あの子は笑ってたココ。のぞみと会えてよかった。そう思っているココ』
『・・・ありがとう』
パーティが始まり、呼びに来たりんちゃんとうららに返事をするのぞみ。
ひび割れたクリスタルもまた、のぞみの笑顔を名残惜しそうに見送っているようです。


今作を語る上では、まず第一に5人のダークプリキュア達の存在が欠かせません。
遊園地でのゴスロリ姿と濃い化粧も可愛らしく、戦闘の最中の表情や振舞い、
勝負が決した後の戸惑い気味の表情と、散り際の表情が極めて印象的なダークドリーム。
燃え盛る炎を思わせる髪型と、ルージュ以上に勝気な表情で
ワイルドな魅力が感じられるダークルージュ。
まさに小悪魔そのものと言った愛くるしい姿と、反則的な「くぎゅボイス」、
それに反して残虐な性格と、足技を繰り出す様が格好良いダークレモネード。
怖く冷たいお姉さんといった妖艶な容姿と、さらに反則的な「皆口ボイス」、
オリジナルに反して好戦的で攻撃特化型、そして後姿がたまらない(笑)ダークミント。
大人びたオリジナルをさらに大人っぽく(やや年増な感うわなにをするやめくぁwせdrftgyかれん)
髪をかき上げる仕草に妙な色気が感じられ、剣戟の印象も充分なダークアクア。
5人それぞれの姿かたちが魅力的な事もあり、
倒されなければならない宿命を負わされた哀しい存在という事も相俟って、
彼女達への感情移入が生まれてしまうからこそ、「本物」のプリキュア達の活躍が光ります。

自らの暗部を具現化したようなダークプリキュア達と向き合う様は、
プリキュア5本編の第23話24話の展開を連想させます。
あの時のように、今作でも皆それぞれ一度は劣勢に立たされますが、
のぞみ=ドリームの呼びかけと共に、皆が踏みとどまって窮地を脱する事が共通しています。
異なる次元に飛ばされた5人が意思の疎通が出来ている事はご都合かもしれませんが、
これまで何度と無くナイトメアとの戦いを乗り越え、信頼関係を築き、
何よりも絶望の奥底から再び戻ってきた経験を経ている事で、
私としてはこれも本編で語られた、「以心伝心」が活かされていると考えています。

劇中のドリームが口にする、もっとも印象的なワンフレーズ、
『昨日の私より!一時間前、一分前、一秒前、そんな私より!もっと良い自分になりたい!』
に代表されるように、この作品のテーマを一言で語るとすれば「成長」です。
ダークルージュの言うとおり一人なら無用な人間関係に疲れることもありませんが、
人間関係に切磋琢磨される成長は望めません。
それを乗り越えるために、どこかで頑張っている友達の姿を胸に踏ん張るルージュ。
ダークレモネードが口にするように、人を喜ばせても直接的な得にはなりませんが、
人のために何かをするという充実感は損得では考えられません。
なぜ女優になりたいのか、そして歌とは何のためにあるのかの考えをはっきり示すレモネード。
ダークミントが語りかけるように、人の事など気にせずに自分の殻に閉じこもり
自分を守ってだけいれば自分が傷つく事もありません。
それでも守る力を肯定的に受け止め、自分だけでなく皆を守るという意志の強さを見せるミント。
ダークアクアが述べるように、優秀な人間は一人で何でも出来ますし、
人に任せると余計な負担が生まれる事もありますが、それは「驕り」でしかありません。
自分の力を過信していた過去を踏まえて、皆と手を携える道を選ぶアクア。
4人それぞれ、23話で直視させられた問題を、自らの手で乗り越えてきます。
あの時からの成長もさる事ながら、ダークプリキュアと向き合う事で
この作品内でも彼女達が成長し、より高みを目指そうという意志がうかがい知れます。

上記ドリームの宣言と共に胸のすくような反撃に転ずるプリキュア達ですが、
ダークドリームの涙とともに始まる戦いはBGMと相俟って物悲しく、
それぞれの闇を撃破した後も爽快感などは一切無く、
ダークプリキュア達の最期の姿とも相俟って重い印象を残します。
その中で印象深い最期といえば、ダークミントのシーンが挙げられるでしょう。
あれほど冷酷な攻撃を受け続けたミントがダークミントを受け入れ、
そして倒さなければならなかった事を詫びながら涙し、
その心に触れたダークミントも涙を流して消えてゆく。
守る力を否定し続けたダークミントもまた、守る力の暖かさを理解できた事で、
最後に救いがあったと考えたいです。
ダークレモネードの場面でも、果たしてこれで良かったのだろうかというような空しさが、
ダークアクアの場面でも、過去の自分の驕りを背負わせて葬ったような哀しさが、
後に遺されるクリスタルと相俟って胸を打ちます。
ダークルージュだけ最期の描写が曖昧にされているのは、
敵とはいえ少女が炎に包まれるという直接的な描写を避けているからだと思いますが、
それ故少々最期の印象が薄くなってしまったのが残念ではありますが・・・

なぜダークドリームだけが、ドリームと共に出てこられたのかに関しては、
他の感想系サイト様のご意見にもある通り、
「キュアドリームのコピー」ではなく「夢原のぞみのコピー」だった事、
遊園地でのぞみが笑顔だった理由に興味を持つという
好奇心を持ち合わせていた事が一因だと思います。
好奇心があるという事は、暗に成長を望んでいるという事でもあり、
それが他の4人と大きく異なる点でした。
そして彼女もまた、作品内で成長を遂げています。
シャドウの命に従う事しか知らず、ドリームを倒す以外の事を考えていなかったのならば、
楽しくて笑ったり、一人が寂しかったり、
大好きな人が大切といった考え方を羨む心は生まれません。
そして何よりシャドウにも習っていない事が出来なかったダークドリームが
身を挺してドリームを守った事によって、初めてシャドウによって生み出されたという
呪縛を解く事ができたのだと思います。
その結果、彼女の生命は儚く散ってしまいますが、
「大好きな」友達を守る為に最期に自分の意志で動いた事で、
ダークドリーム自身の成長を、そして彼女が確かに生きていた証が残されたと思いました。

それにしてもダークドリームの登場シーンは全てが名場面と言える程で、
この作品でしか登場しない事を惜しむ声や、オールスターズ等でのゲスト登場を望む声も高く、
未だ高い人気を誇っているのも頷けます。
しかし、新田次郎はその著作「武田信玄」のあとがきで、
もし信玄がもう十年長生きしたらどうなっていたかを
書いて欲しいと言われた事に言及し、こう記していました。
"いかなる力をもってしても、歴史を覆す事はできない。
信玄は過去においても現在においてもその死が惜しまれているところに存在価値がある"
ダークドリームもまた、完結したこの作品の枠組みでのみ存在する事が許され、
その最期が惜しまれているからこそ存在価値があり、
あえて他の作品に出てしまうと、その悲劇性が損なわれてしまうように思えます。
もっとも、彼女の人気は単純に「可愛い」という事も大きな要素ですが・・・(苦笑)
個人的には『行けないよぉ♥ 私に勝たないとねっ★』の悪戯っぽい表情がたまりません。

さて、すっかりダークプリキュア達に食われてしまっている感がありますが、
この作品のゲストであるミギリンとヒダリンに目を向けると、
こと成長という点では、彼らも立派に作品内で役目を果たしています。
最初はただただ弱気で臆病、ミルクの迫力にも圧されて震え上がる程でしたが、
プリキュア達の戦う姿やミルクの意志の強さと触れるうちに、
敵わない程強いシャドウに立ち向かう勇気を持ち合わせるようになりました。
そして巨大化したシャドウの一撃からは、真っ先にプリキュアを守るべく割って入ります。
ミラクルライトの力のお陰でかき消したと見る事は簡単ですが、
当初のミギリンとヒダリンでは、いくらミラクルライトを振りかざしても
そのような力は得られなかったと思います。
つい先日のキュアビート然り、プリキュア5の第5話でのかれん然り、
「資質」を持ち合わせていても「資格」が無ければ力を有効に使うことは出来ません。
この場面こそがミギリンとヒダリンの成長を最も感じさせるシーンでした。
もっとも、その後のミラクルライトおねだり
「もっと、もっともっと」には苦笑させれてしまいますが(笑)

そして食われているといえば、この作品の敵であるシャドウもその一人と言えますが、
とことん嫌な奴として悪役に徹する事で、
個性豊かな5人のダークプリキュアへの同情をかきたて、
プリキュア達、特にドリームの怒りをぶつける相手としての存在意義を評価したいです。
ところで、シャドウは何を望んでいたのかに想いを巡らせると、
シャドウに対しても憐憫の情が湧いてきました。
世界の支配者となって、全てをひれ伏させる事を望んでいたシャドウ。
それは即ち、頂点に立つ者は一人であり、仲間や友達の存在を否定し、
独りよがりな自分の声を聞かせることでもあり、
人を守るいたわりとも無縁で、全てを自分でまかなうという独善。
それぞれダークルージュ、ダークレモネード、ダークミント、ダークアクアの
発言や姿勢と共通する点が伺えます。
シャドウの思考の一部が彼女達に影響を及ぼしたとすれば、
ダークドリームが持っていた憧憬の念や好奇心という心もまた、
シャドウのどこかにあったのではないでしょうか。
パンドラの箱の最後に残った光のように、シャドウに残された良心が
ダークドリームの性格を形成していたとしたら・・・
結局シャドウの野望は打ち砕かれ、今となってはその真意はわかりません。
ダークドリームの人気に反比例してシャドウが語られる事は少なく、
映画のボスとしては不遇な面もありますが、
今回の再見で、ふとそのような考えが浮かんできました。
ともあれ、今作で見せるちょっとした茶目っ気はDX3で大いにクローズアップされ、
中の人的には次の5GoGoでシロップとして生まれ変わるので良しとしましょう(笑)

ところで、前半部のプリンセスランドのシーンがやや冗長に感じられ、
後半部との整合性を欠いているように見えるのが欠点かもしれません。
しかし後半部は重い展開が続くため、本来のターゲットである少女層には、
お姫様気分で遊園地を楽しむ姿を見せる事も必要でしょう。
うららがピンキーをキャッチュしたという、後の形勢逆転への伏線が張られている事や、
ネタにされるだけでなく、文字通り女王様にしか見えないかれん、
突っ込み役と怖がり役、抜群の運動神経の内に秘めた乙女心という
変わらぬ持ち味を発揮するりんちゃん。
そして、横長のナッツを見たくないといった女心を見せたと思いきや、
直後水を得た魚のように合わせ鏡の怪談を語り始めるこまち。
(この場面のこまちの黒さは、どっちがダークミントかわからない程でした)
お姫様の衣装を纏い、遊園地と言う華やかな舞台に
それぞれの個性が花開いており、その愉しさは大いに評価したいです。

そして、ラストシーンがもたらす切ない余韻もまた印象的でした。
ダークドリームが生きた証ともいえるひび割れたクリスタルを見上げる際、
おそらくのぞみは泣いていると思われますが、その目元は映されません。
ここでダークドリームを想い、涙を浮かべる姿を描く事が良いのか、
それとも涙を見せない事が彼女の遺志を汲む事なのか、
のぞみが泣いているか否かは、あくまで観る側の想像に委ねられています。
そんな中、のぞみを励ますココの言葉が心に残りました。
『あの子は笑ってたココ。のぞみと会えて良かった。そう思っているココ』
「笑ってた」は過去形ですが、「そう思っている」は過去形ではありません。
笑顔を見せたダークドリームは過去の姿かもしれませんが、
クリスタルの中で彼女の心はまだ生きている。
少し寂しいながらも、希望を感じさせる良いラストシーンだと思いました。

冒頭の前説漫才、遊園地の楽しさと良く動くアクションシーン、
ダークプリキュア達の描写と、ダークドリームの悲愴な姿、
成長というテーマ性と、余韻の切なさ。
ミラクルライトを用いての参加型の趣向など、
今なおプリキュア映画史上燦然と輝く作品であると改めて実感した次第です。
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通りすがり

いつもプリキュアレビューを楽しく読ませていただいてます
レビューを読みながらダークドリームの姿を想起するだけで涙が出そうです
そこまで成功した悲劇性のあるキャラはなかなか居ないと思います
ゲスト出演は今のところもう無理かもしれないが、のぞみを見守っていてくれると信じたいですね
ちなみに布教するため劇場版を見せてあげて、そしたらプリキュア好きになってくれた友人が居るけど未だにダークドリームがプリキュアより好きだそうです

個人的には、ダークドリームの生きた証を身近に置きたいから満薫まで商品化したグッコレシリーズにダークドリームを出して欲しいです
by 通りすがり (2011-07-23 17:43) 

スティクス

早速のコメント、ありがとうございます。
反響の早さにダークドリームの人気の高さを垣間見た気がします。
布教活動、素晴らしいですね(笑)劇場版初見の方も直ちに虜にするとは・・・
これだけファンに愛されているダークドリームは
それだけキャラクターが作りこまれていたというべきでしょうか。
満薫だけでなくハートキャッチのダークプリキュアまでもが
商品化するという話も出ていますので、
その次にはダークドリームも期待したいものですね。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
by スティクス (2011-07-23 22:17) 

まるっさ

今更多くを語ることは・・・といいますか語りだすときりがないのですが(笑)、『プリキュアぴあ』などでスタッフが語るように正に王道、という言葉が相応しい作品だったと思います。
今回貼り付けましたURLの自分のレビューにも書きましたが、往年のジャンプ集団ヒーローものの劇場版を見た人間にとっても懐かしいものがありました。
前のうらら回でのレスでも触れましたが、ドリームの反撃開始と同時に流れ始めるBGM『昨日の私を超えていく』のかっこよさは、各地で次々と立ち上がっていくプリキュア5達の勇姿とシンクロして半端なさすぎるかと(笑)。
そして今作品のもう一つの名曲『影との戦い』・・・レクイエムとも思える荘厳さが真っ暗な劇場の中でより一層引き立ち、見ている側にも一種の無常観と寂寥感とを感じさせるものでありました。他のダーク達も決して”倒してスカッとする”敵では無いということを強めております・・・ダークミント(涙)。

後はこの作品でダークドリーム以外で感動するのは挙げられている通り、ミギリン&ヒダリンの成長ぷりかな、と思います。僕もあのシーンはこの作品での名シーンの一つだと思います。

満&薫まで出しているグッコレシリーズなのでひょっとしたら・・・という期待もなくもないですが、出すときはもっと安く、あともうちょっとスタイルを良くしてもらいたいものです(笑)。
by まるっさ (2011-07-30 09:01) 

スティクス

>まるっささん
ダークドリームをはじめとしたダークプリキュアだけで
ご飯何杯もいけるほどですので(笑)、
私もこの作品に関してはまだまだ語りたい気分です。
私が敵側のヒロインに惹かれるきっかけとなった「のび太と鉄人兵団」を
思わせる展開もさることながら、ご指摘の通りBGMの素晴らしさも
特筆モノですね。佐藤直紀さんの音楽が醸し出す雰囲気を
ぜひ劇場でも見てみたいと思っているのですが・・・
未だに映画館へ入る事のできない情けない私が居ます(苦笑)

>ミギリン&ヒダリンの成長ぶり
おっしゃるとおり、彼らの成長は結構な重きが置かれていましたが、
大きなお友達にとってはダークプリキュア達の陰に隠れてしまい、
彼らも不遇かもしれませんね。
かくいう私も今回再見するまで、とにかくダークプリキュア達の印象が強く
彼らの成長を今更ながら「再発見」した次第です。

>グッコレ
ダークドリームの人気を見ると、確実に需要はありそうですし、
ハートキャッチのダークプリキュアがフィギュア化しますので、
その次あたりに来るかもしれませんが・・・果たしてどうなる事でしょうか
by スティクス (2011-07-31 07:55) 

名無し

スティクスさんが現在ご休息充電されておられるのに
コメントさせて頂くのもあれですが、この映画、私とても好きでして。
初めてDVDで見た時の衝撃と言ったらもう…
自分の中では雪空に勝るとも劣らない位置にいます。
語らせて頂くにはとてもアレなので、図々しい事を承知で
他所で想いをぶつけたURLを貼らせて頂きました。
申し訳ございません…
アカウントが必要ですが、お心が落ち着いて余裕ができました時に
一瞥等下さいましたら幸いに思います。
雪空も児童が泣いた事をネタに叩かれる事が多い作品ですが、
私の中では鏡の国と共にベストの作品ですし
児童が泣いた事に対する考えも、私は一般的な方々とは
少し違った位置から解釈しています。
これは此方で言う事じゃありませんね、申し訳ございません。

スティクスさんが御心身の心労の中、
このような戯言を残す事をどうかお許し下さい。
それでは失礼します。
by 名無し (2013-02-04 23:49) 

スティクス

>名無しさん
折角コメントを頂いたのに、このような状況で済みません。
近いうちに戻って来る方向で考えていますので、
その際には改めて宜しくお願い致します。

この作品は私も大好きで、というよりもダークドリームが好きすぎて
彼女の事を想うと未だに胸が締め付けられるようです。
いわゆる「救済措置」に関しては皆様それぞれの思い入れがあり、
どれが正解というものは無いと思います。
リンク先の文章を拝読させて頂きまして、なるほどこういう展開も面白いですね。
無印最終回のキリヤに似た少年のように、
ダークドリームじゃないかもしれない、けれども生まれ変わりかも知れない、
どこかであの子がこの同じ空の下に息づいているかもしれない、
そう思えるだけで、救われるものがある気がします。

いずれ「雪空」の解釈についてもご意見を伺ってみたいと思います。
その際には宜しくお願い致します。
by スティクス (2013-02-11 13:20) 

あゆ

カービィのシリカ見たいですよ!ダークドリームは良いキャラですね。再登場したのは、GOGOの、47話、48話で再登場しました!
by あゆ (2013-12-31 20:23) 

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