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Go!プリンセスプリキュア 第13話『冷たい音色・・・!黒きプリンセス現る!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 人の声に近いと言われる音色を持つ楽器、ヴァイオリン。その音色は人を魅了するだけでなく、数ある楽器の中で「悪魔」と関連付けられることも多く、魔性の楽器でもあります。悪魔に魂を売って超絶技巧を身に着けたと言われたパガニーニ、同じく悪魔に魂を売ってその演奏を聴いたとされるタルティーニなど、逸話は多数あります。
 はるかが耳にしたのは、プリンセスの音色か、はたまた悪魔の調べか。闇の世界のプリンセスことトワイライト様が、満を持して、気高く、尊く、麗しく、プリキュア達の前に立ちふさがります。
  
 昼と夜の境目、黄昏時。そして、逢魔が時。
 はるかが木立の間を歩いていると、ヴァイオリンの音色が聴こえて来ました。その音の方向へ向かっていくと、仮面の美少女が海を背にしてヴァイオリンを弾いています。セイレーン(キュアビート先輩ではありません)に魅了される船乗りの如く、はるかはその姿とその音色に、ふらふらと引き寄せられて行きました。そしてヴァイオリンを弾いている少女と目が合うと、はるかの歩みは魅入られたように止まります。
 無言で向き合う二人の間に、ただヴァイオリンの音色と風の音だけが流れています。
『なんて綺麗な人・・・』

 はるかは先程のヴァイオリンが忘れられず、無邪気に弾く真似をしています。これまでのバレエテニスと同様、プリンセスっぽいというミーハーな理由もありますが、何より先程の体験が大きく影響を及ぼしています。なお、みなみはヴァイオリンを弾く事ができますが、あいにくと今は修理中。今度の日曜に受け取りに行くと聞いて、はるかも一緒に行くことになりました。

 そして日曜。ヴァイオリン工房で演奏するみなみの演奏を、はるかは憧れの目で見つめます。ヴァイオリン職人で先生でもある錦戸さんも、みなみの演奏を褒めました。そして錦戸さんはヴァイオリンに興味を持ったはるかのために、工房にあるヴァイオリンを一挺譲ってくれます。はるかが選んだのは、特別な一挺でした。
『なんだか私に呼びかけてくれた気がして、凄くキラキラして見えたんです』
 それが錦戸さんの最初の作品だと知ったはるかは、さすがに遠慮しますが、錦戸さんははるかに弾いてもらった方が楽器も喜ぶと、快く譲ってくれました。
『ありがとうございます!大切にします!』

 公園できららと待ち合わせ、バスで帰る途中も、はるかは嬉しそうにヴァイオリンを宝物のように抱きかかえています。寮に向かう弾んだ足取りからも、早く弾いてみたいという待ちきれない気持ちが伝わってくるようです。そして待ちかねたようにシャムール先生を呼び出し、ヴァイオリンのレッスンを頼みました。カナタにも手ほどきしたという先生のレッスンが始まります。(ところでシャムール先生いったい何歳なんだろう)

 まずはみなみがお手本として、C-Dur(ハ長調)の音階を弾きました。続けてきらら、オクターブ上のCから下る音階を弾いて見せ、改めて万能の天才ぶりを見せつけます。ちょっとやったことがあるってレベルじゃねえw
 そしてはるかの番がやってきます。あの仮面の少女の姿を思い浮かべながらヴァイオリンを構え、弓を弦に乗せますが・・・当然お約束のオチ要因でした。酷い怪音にみんな耳を塞いで悶え、シャムール先生に至っては猫の姿に戻ってしまう始末。
『ユーは基礎の基礎から特訓です・・・』
 そう言い残し、シャムール先生は力尽きました(笑)

 そして再び、黄昏時が訪れます。上手く弾けずに落ち込んでいるはるかの耳に、あの音色、あの旋律が聴こえてきました。音の方向へ走り出すはるかを、ゆいちゃん、みなみ、きららが追って行きます。
 先日と同じ場所で、美しい銀髪をなびかせながら、仮面の少女はこちらに背を向けヴァイオリンを弾いています。皆がその美しい姿を見る中で、パフだけは怯えています。
『あの!ヴァイオリンお上手なんですね』
 演奏を終えて楽器を降ろす少女の背に、はるかが声を掛けます。
『私もあなたみたいに弾けるようになりたいなって、練習を始めたんです。でも、なかなかうまくいかなくて・・・』
 すると少女は口元に笑みを浮かべて向き直り、無言でヴァイオリンを差し出しました。
『目を、閉じなさい。そして・・・心を閉ざして弾いてごらんなさい』
 はるかに寄り添い、囁きかけるような助言を送る少女。はるかは言われるままに目を閉じ、まるで暗い世界に自分が一人になるように心を閉ざしました。その暗黒の世界に、真っ直ぐな音が響きます。
『ヴァイオリンは心を閉ざして弾くもの。気高く、尊く、麗しく』
 喜ぶはるかにそう言い残し、少女は夕闇に溶け込むように立ち去りました。
『誰なのかしら?』『只者じゃない感じだね』
 その後ろ姿を、パフは怯えた目で見つめています。

 ディスピアの御前。シャットさんがクローズの二の舞になってしまうと危機感を抱いていたところに、仮面の少女が入って来ました。その美しさに魅せられてしまい、思わず見とれるシャットさん。
『美しい・・・ハッ』お前はユダかw
 我に返り、狼藉者は排除すると投げた薔薇を、仮面の少女はそれを片手で受け止めます。
『控えよ。プリンセスプリキュアはどうであった?トワイライトよ』
『あれはプリンセスとは名ばかりの偽物ですわ。お母様』
 シャットさん達も、この時初めて仮面の少女の素性を知りました。

 錦戸さんのもとへレッスンに向かうバスの中で、トワイライト様について想いを巡らせるはるか達。パフは彼女に恐怖を抱き続け、みなみときららもその演奏の美しさを評価しているものの、何かが引っかかっています。はるかだけは直接指導を受けたことも影響しているのか、怖い人では無いと考えていました。
『心を閉ざして、気高く、尊く、麗しく』
 その助言は、はるかに深く刺さっています。

 錦戸さんははるかが弾く「カイザー1番」を聴いて、短時間での上達ぶりを認めますが、気持ちが見えないと演奏については感心していません。
『三流のヴァイオリンに三流の弾き手。所詮はその程度ね』
 その時、突然トワイライト様の声がしました。彼女がシャットさんを伴って現れたということで、みなみときららは彼女が敵だと認識します。
 自分の演奏はともかく錦戸さんのヴァイオリンは素敵だと弁護するはるかを、トワイライト様は鼻で笑いました。
『あなた、いったい・・・?』
『図が高い!』お前は格さんかw
 シャットさんが印籠を出すと共に言い放つと共に、トワイライト様は仮面を脱ぎ捨てます。
『こちらにおわすお方をどなたと心得る!畏れ多くもディスピア様のご息女、プリンセス・トワイライト様であらせられるぞ!プリンセスの御前である!控えおろう!』(台詞は一部異なりますが、だいたいあってます)
 シャットさんに紹介を受けたトワイライト様は、はるか達をプリンセスと認めないと冷たい笑みを浮かべ、努力などでなれるものではないと言いながら黒いキーを取り出しました。それを突き刺されたシャットさんは恍惚の表情を浮かべてほぼイキかけました新たな力を得、そして錦戸さんに目を付けます。
 ヴァイオリンの素晴らしさを次世代へ受け継ぐという錦戸さんの「夢」は絶望の檻へと閉じ込められ、代わりにヴァイオリンのネガトーン、もといゼツボーグが出現。トワイライト様のキーの影響か、今までよりも兇悪そうな相手を前にして、ゆいちゃんを逃がしてから三人は変身します。

『口が過ぎるわよ。消えなさい』
 変身後の口上「お覚悟はよろしくて」を聞いて、トワイライト様は冷たい視線を向けました。そしてゼツボーグが音波を飛ばして襲って来ます。黒いキーの影響か、今までより数段強いゼツボーグを相手に善戦するも、音波に正面から挑んだフローラは押し負けてしまい、林へと飛ばされて行きました。
 そのフローラのもとへ、青い焔と共にトワイライト様が冷笑を浮かべながら静かに歩み寄ります。
『どうして?ヴァイオリンを教えてくれたのに』
 立ち上がるフローラを、青い焔が取り囲みます。
『ほんの戯れよ。偽りのプリンセスがみすぼらしいヴァイオリンで拙い演奏。とても愉快だったわ』
『あのヴァイオリンには素敵な夢が詰まってる!』
 立ち上がり反論するフローラですが、焔の勢いが強く、身動きが取れません。
『夢など哀れなものが信じる幻。気高く、尊く、麗しく。全てを手にした本物のプリンセスである私には不要なもの。幻にすがる偽りのプリンセス。目障りよ』

 そこにマーメイドとトゥインクルに吹っ飛ばされたゼツボーグが飛んできました。同時に二人も駆けつけます。
『あいにく、あなたたちがどんなに強くなろうと』
『夢を馬鹿にする人になんか負けてられないんだよね、私たち★』
『夢は幻なんかじゃない。だから私たちは・・・強く!』『優しく!』『美しく!』
『みんなで夢を守って見せる!』
 トワイライト様とは異なる理念で立ち上がった三人は、ゼツボーグの音波攻撃を受け止めた後、押し返し、トリニティリュミエールでゼツボーグを撃退しました。
 悔しがるシャットさんを、トワイライト様は焦る必要は無いと諭し、引き上げて行きました。
『黒い・・・プリンセス・・・』
 フローラは新たな敵、そして己の理想と異なるプリンセスの姿を認め、見送ります。

 錦戸さんの夢も無事に解放。はるかは今度は自分らしく、花をイメージして演奏します。今度は錦戸さんもその演奏に納得し、笑顔でうなずきました。
『私、頑張ります。この夢が詰まったヴァイオリンに私の夢を乗せて』
 晴れ渡る空の下に、はるかの笑顔が輝きます。

 そして闇に閉ざされた空の下。すっかり骨抜きにされているシャットさん、それに呆れているロックが見つめる先で、トワイライト様は黒いキーを手にして闇の空へ手を伸ばしました。
『暮れない一日が無いように、夕闇が空を包むように、この黒いキーと私が世界を絶望で染めて見せますわ』


 フレッシュプリキュア第1話を観た時、イース様に惚れこんでしまったのが、今に至るプリキュア感想を始めたきっかけです。そんな私ですから、このプリンセスプリキュアの第1話でオープニングを観た時、同じ銀髪の美少女敵幹部ということで、もちろんトワイライト様に魅了されてしまい、彼女の登場を今や遅しと待ちながら視聴していたものです。
 そして満を持しての初登場となる今回。容姿の美しさはもちろん、その口調や態度、全てにおいて私のストライクゾーンを直撃して来まして、待った甲斐がありました。

 まず、はるかがヴァイオリンを始めるきっかけとなった、トワイライト様の演奏について。錦戸さんが「刺さった」と表現したこの演奏を、「思い出すと今でもドキドキする音色」と、はるかは肯定的に捉えています。錦戸さんは、ヴァイオリンの音色は心を映すもので、弾んだ心で奏でれば音も弾み、曇った心で奏でれば音も曇ると言っていました。すると、トワイライト様の演奏は彼女の真意はどうあれ、はるかを魅了する「何か」があった筈です。
 もっとも、同じ演奏を聴いたみなみ、きらら、ゆいちゃんは、いずれもきれいな音色と評しているものの「刺さる」までには至らず、パフは怯えを通り越して恐怖すら抱いていました。これは「プリンセスっぽい」ものに憧れているはるかだからこそ、真のプリンセスである彼女の演奏が刺さってしまったのかもしれません。
 後に明らかになる事ですが、トワイライト様の演奏技術は、冒頭で少し触れたように「悪魔に魂を売って」手に入れたものです。その際、彼女もまたプリンセスへの憧れを抱いていました。互いに似たものを持っていたからこそ、はるかはトワイライト様の演奏に魅入られてしまったのかもしれません。

 もっとも、それは悪い結果ばかりではなく、はるかがヴァイオリンを始めていたからこそ、中盤の大きな転機が劇的に彩られました。先日観返したばかりの魔法つかいプリキュア第12話でも語られていた「見方を変えれば」物事の善し悪しは変わります。
 今回のラストでトワイライト様が呟く「暮れない一日が無い」という言葉は、プリキュアシリーズならば普通は「明けない夜は無い」「やまない雨は無い」といったように、前向きな言い回しで述べるものです。ほんの少し目線を変えることで、受ける印象はだいぶ異なりますが、意味自体は同じです。前述の「刺さる」についても、このように捉えられると思います。
 もっとも変なところに鍵を「刺して」日曜の朝っぱらからアヘ顔を晒したシャットさんという奇特な方もおりましたが(笑)。今回だけでもユダになったり格さんになったりと、ここから彼の転落人生がスタートするとは、当時は予想もしませんでした。

 はるかが今回選んだヴァイオリンは、錦戸さんの初めての作品でした。これを作った当時の錦戸さんは、ヴァイオリン職人として一歩踏み出したばかりで、夢と情熱、そして不安が渦巻いていたことでしょう。その気持ちは、これからヴァイオリンを始めようとするはるかの中にもあるはずです。だからこそ、前述のトワイライト様の演奏が影響されたことと同じように、錦戸さんのその気持ちとシンクロして、この楽器を手にしたのだと思います。ヴァイオリンを次世代へ伝えるという錦戸さんの夢は、しっかりはるかに伝わっているという証でもありました。

 ところで、私も若い頃ヴァイオリンを少々嗜んでいたのですが、かれこれ15年ほどまともに触らずにいました。ところがリアルタイムでこの話を観た際に再び触りたくなってしまい、少しずつリハビリを始めています。
 しかし1年8か月経った今も、特に右手が思うように動かず・・・。中盤の大きな転機となった「あの曲」を、人前で弾けるくらいまでに仕上げることを目標にして、拙い練習を少しずつ進めています。
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 私がこのヴァイオリンを手にした時も、楽器を手にして嬉しそうなはるかと同じような気持ちだったため、当時を懐かしく思い出しました。
 ところでヴァイオリンを少しかじった者として、余計なお世話を少々。「肩当て」無しで楽器を構えるのはちょっと難しいんじゃないかと・・・。あとトワイライト様、そんなに爪伸ばしてたら弦楽器弾く時邪魔ですよ(笑)

 トワイライト様に教えられてはるかが弾いた音は、「レの#」だと今回の視聴で気づきました。初心者ならば解放弦(左手で弦を押さえずに弾くこと)で出せる、G、D、A、E(ソ、レ、ラ、ミ)のいずれかが自然ではないかと思いましたが、「レの#」はドイツ語の音階だと「Dis」です。ひょっとしてトワイライト様は「ディスダーク」とかけて、戯れでこの音を弾かせたのかもしれません。

 素体が楽器のため、なんだかネガトーンみたいな(笑)ゼツボーグとの戦いも見応えがありました。弓の上を走って間合いを詰めるマーメイドに続き、星で牽制したかと思えば、直後に一回り大きな星を飛ばすトゥインクル、その星に乗ってゼツボーグに向かうフローラなど、流れるような連携とアクションは見応えがあります。
 また、トワイライト様の名の通りの「トワイライト」夕暮れの描写が非常に美しく、昼と夜の狭間の不安定な空の色が、トワイライト様の妖しい美しさを効果的に演出していました。

 クローズ退場からここまで続く各話はいずれも密度が濃く、ここから中盤にかけての盛り上がりに向けて、第2クールのスタートは良い滑り出しだったと思います。もっとも、らんこパイセンは違うベクトルの濃さでしたが(笑)

おまけ
 はるかが弾いていたのはヴァイオリン練習曲の定番「カイザー」の第1番で、この動画だと(1:02)からのフレーズです。ただ、楽器持って数日でこれを弾くのは、寝ずに練習したとしても相当凄いと思いますが・・・

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MP

いよいよトワイライトの登場。第1話からOPに登場し、私でも「いったいあの子は誰なんだろう。レジーナみたいになるのか」と思ってましたが、やはり思った通りのキャラでした。しかしこの娘が、後々重要なキャラになろうとは。レジーナやファントム同様、この時期は重要キャラが出ますな。
(今の「まほプリ」は無かった)

演じたのは沢城みゆきさん。今じゃ「新・不二子」のイメージが強いですが、プリキュアには「MH」でアリサを演じて以来、ちょうど10年振りの出演、幼女から悪女へと大変貌です(しかし…)。
by MP (2017-01-08 23:58) 

スティクス

>MPさん
イース様以降、エレン→レジーナ→トワイライト様と、1年おきにこの手のキャラが出ますから、ひょっとして今年は・・・?かもしれませんね。
魔法使いでは、勝木さんがある意味重要キャラのような気が(笑)

>10年ぶり
リズ先生も久々ですしね。響やマナにしても、初代から長い時を経ての主役ですし。
今後もこういったキャスティングがあるかもしれません。
by スティクス (2017-01-10 23:39) 

悩める父メフィスト

カキコミ遅くなりました。ついに来ました、トワイライト様。記事お待ちしてました。気高く・尊く・美しく。あの何拍子かよくわからない旋律が、まさか(この時点で 全然気付かなかったです)・・・・・

バイオリンかっこいいですね、弾けるとは羨ましいです。
by 悩める父メフィスト (2017-01-21 22:47) 

スティクス

>悩める父メフィストさん
いえいえ、こちらこそコメントいただけて嬉しいです。ありがとうございます。

>あの何拍子かよくわからない旋律
「調性」もよくわからないですよね。あの不可思議な旋律が、まさかあんな風になるとは・・・
この旋律も練習してみているのですが、ラストの展開が結構難しくて苦戦しています

ヴァイオリンは「弾けた」と過去形になってしまう程度の腕前でして、せめて人前で弾けるくらいには戻したいものです。ブランクが開くと予想以上に難しくなりまして・・・
by スティクス (2017-01-22 07:18) 

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