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魔法つかいプリキュア! 第27話『Let'sエンジョイ!魔法学校の夏休み!』 [魔法つかいプリキュア!]

 再び魔法界が舞台となる夏休みエピソード。ナシマホウ界とは一味違った夏祭り準備で盛り上がる様は、いかにもファンタジー色あふれる描写です。
 しかし、夏祭りの準備に胸躍らせる軽めのエピソードと思いきや、そうは問屋が卸しません。新たな脅威・デウスマストの存在が明らかになり、その眷属ラブーがようやく重い腰を上げます。
 そして新たな脅威に向き合うみらいから、老いてなお学ぶべきものを校長が見出す一編でした。
  
 闇の魔法使いの脅威は去りました。しかし封印されていた邪悪な存在は、闇の魔法使いとは異なる者達だと明らかになり、校長はむしろ災いはこれから訪れるのではないかと危惧しています。
 その重い空気を払うかのように、みらいとことはを引きつれたリコが帰郷しました。
『この子達がどうしても魔法界で夏休みを過ごしたいって言うもので』
 そうは言ってもリコも大張り切りで荷造りしていた様子。ことはがリコのトランクを開けると、水鉄砲やらビーチボールやら、楽しむ気満々のものが詰め込まれていました。

 魔法学校では大勢の生徒達が、なにやら準備に忙しそうです。補習メイト達としか顔を合わせていなかったみらいは、改めて生徒の多さに驚きました。生徒達は夏祭りの準備中。夏といっても常春の魔法学校では、暦上だけの夏です。
 ことはは魔法学校の制服を着ておらず目だってしまい、早速自前の制服を魔法で作り出します。(それにしてもこの衆人環視の中で着替えたのでしょうか・・・)ところが無から有を生み出す魔法は逆に注目を集め、生徒達が準備の手を止めてことはを取り囲みました。それをジュンが注意すると、さすがは番長。みんな作業へと戻ります。
 補習メイト達との再会を喜ぶみらい達。ことはもはーちゃんだと名乗りますが、妖精が人の姿になるなど聞いた事が無いと、信じてもらえませんでした。

 一方、校長は災いに備えて文献を読み漁っています。しかし解決策は見いだせず、プリキュア達とエメラルドに託すしかないのかと焦りを募らせていました。そしてドクロクシーとの決戦で、蓄えていた魔力を使い果たしてしまった己の無力を嘆いています。

 みらい達は学食を訪れています。補習中は閉鎖されていたため、みらいとことはは初めての学食。食べ放題と聞いてワクワクもんだと山盛りの料理を積みました。みらいは手巻き寿司にカニとフライドポテトにハンバーグというとんでもない組み合わせ。ことははトウモロコシ尽くし、モフルンはクッキーの山と、ツッコミどころ満載の献立です。呆れ気味だったリコもしっかりと食べていることをジュンに指摘され、恥ずかしそうに顔を赤らめました。もちろん女子にとってデザートは別腹。魔法商店街の果物屋トッドさん自信作のパフェを堪能します。
 しかしトッドさん曰く、冷凍みかんの材料であるピーカンみかんが手に入らなくなったと困り顔です。陽の光を沢山浴びないと実らないというものの、空は晴天続き。何か異変が起きているのでしょうか。その傍らで、校長も晴れた空を不安そうに見上げています。

 予感が的中したように、ようやくラブー本人が動きはじめました。

 神頼みにすがるように、杖の木を見上げる校長。そこにみらいがやって来ました。校長の不安を払拭するように、何も知らぬ彼女は他愛の無い話題を切り出します。
ずっと前に校長先生を探していた時、ここで会いましたよね? 私、この木大好きです。校長先生もですか?』
 この木の前にいると心が穏やかになる。そう答える校長に、みらいはお礼を言いました。
『ずっと探していたのに、エメラルドをはーちゃんと私たちに・・・』
『エメラルドがそう望んだのじゃ。君たちと一緒にいる事をな』
 風が葉を揺らし、柔らかな木漏れ日が降り注ぐ、穏やかな光景。何気ない日常。

『私、決めたんです!ずっとずっとみんなと一緒にいるって』
 不意に、みらいは真顔で訴えました。はーちゃんがクシィの魂を導きながら空に消えた日を、リコが魔法界への帰郷を打ち明けた日を思い出しながら。
『悲しいお別れは、もうしたくないんです。みんなでたくさん、たくさん笑顔でいようって。それで思いっきり楽しもうって魔法界に来たんです。何があってもどんなことがあっても、私、みんなと一緒にいるって決めたんです。だから。・・・校長先生、大丈夫です』
 みんなと一緒にいたいという気持ちを語るうちに、校長の不安を感じ取っていたのか、最後は校長を励ます言葉へと変わって行きました。みらいの心遣いに触れて、校長は優しい笑みを返します。

 その時、突風と共にラブーが降り立ちました。これまで監視していたとはいえ、実際に相見えるのは初めての事。意外と律儀に自己紹介するも、
『悪いけどさ、消えてくんない?』
 続けてさらっと言い放つところに、かえって底知れない恐ろしさが感じられます。
 ラブーが指を弾いただけで、杖の木一帯が闇の結界に包まれました。魔法学校の寮にいたリコとことはも異変を察し、モフルンと共に杖の木へと急行します。
 校長がみらいを庇う前で、ラブーは祭りの準備に使われていた狼のモニュメントと風船を合わせ、魔法以上の力「ムホー」で新たな怪物、ドンヨクバールを生み出しました。

 ほうきで駆けつけたリコとことはを、闇の結界が阻みます。結界の中から爆音と地響きが轟き、焦る二人。その時、エメラルドが輝きを発しました。リコはエメラルドを持つことはの手を握り、二人で結界へ挑みます。
 ドンヨクバールに追われて逃げるみらいと校長は、追いつめられています。その時、リコとことはが結界を乗り越えてきました。みらいとリコはダイヤスタイルに、ことはもフェリーチェへと変身します。

 背中から風船爆弾を打ち出すドンヨクバールと渡り合うフェリーチェ。校長はエメラルドのプリキュアを初めて目の当たりにして、その戦闘力に驚きます。しかし風船爆弾にはホーミング機能があり、死角からフェリーチェに、そしてミラクルとマジカルに襲いかかって来ます。今までのヨクバールより強力な相手に、苦戦を余儀なくされています。
『どうして、こんな酷いことを・・・?』
『だってさ、もうすぐ来るからね。あのお方、デウスマストが』

 デウスマスト。それは天の彼方より永劫の渇きと共にこの地に降り立つ終わりなき混沌。
 校長はこれこそが予言された災いだと認識しました。ラブーは軽く、そして淡々と続けます。
『光栄にもこの世界は偉大なるデウスマストの目に留まったのさ。で、お迎えするにあたってこの地上から邪魔者をお掃除しとくってのが、俺らの仕事なわけ』
『そんな勝手な理由で・・・』
 戸惑うマジカルとは対照的に、ミラクルは静かに口を開きます。
『決めたから。あなたが何者だろうと関係ない。みんなで一緒にいるって決めたから!悲しい別れはもうしない。みんなで一緒に楽しもうって決めたんだから!』
 リコと出会い、魔法学校での補習の日々を過ごし、別れの覚悟を経ての再会がミラクルの脳裏をよぎる中、決然と言い放ちました。

 ミラクルの訴えを面倒臭いと一蹴し、ラブーはドンヨクバールをけしかけます。
『みんなで一緒にいるためなら、出来ることはなんでもやるの!』
「出来ること」という言葉が、校長の心を動かしました。その間も戦いは続いています。ミラクルは風船爆弾を一人で引き受け、心配したマジカルとフェリーチェが駆け寄ります。
『一人で無理しないの!』
『みんなで一緒に、ですよね』
 手を取り合う三人。続く風船爆弾攻撃を、華麗な身のこなしでかわし、三人そろってドンヨクバールに突進します。そして三人を追って来たホーミング機能付き風船爆弾がドンヨクバールに命中。昔のドラゴンボールみたいな展開です。それでも土煙の向こうから襲ってくるドンヨクバールの攻撃を、今度は校長が防ぎました。
『わしも、できることをせねばな』

 そしてピンクトルマリンを宿したフェリーチェが風船爆弾を全て消し去り、ドンヨクバールはダイヤモンドエターナルで撃退しました。
『何度来たってあなたなんかに・・・』
『何度も来ないよ。次で終わりにしてあげるからね』
 飄々としているだけに逆に怖い台詞を残して、ラブーは引き上げて行きました。

 杖の木に平穏が戻ると同時に、ことはのお腹が鳴ります。先ほど散々食べたのに、と突っ込むリコのお腹も鳴りました。
『私は少食なんだから、すぐお腹すくのは当然なの!』いや、そのりくつはおかしい
 少女達の他愛の無いやり取りを見守りながら、校長はエメラルドの力に想いを馳せるのでした。
『精一杯努めねば。わしに出来る事を。生徒に教えられるとはな』


 後の展開を知った状態で観返すと、様々な伏線に気付く一編でした。
 まずはこの時点で37話に繋がる「ピーカンみかんの実りが悪い」ということが語られています。別に冷凍みかんが無くても世界が滅ぶわけではありませんが、身近なものが少しずつ影響を受けている事態からは、得体のしれない異変が起きようとしていることが伝わって来ます。

 そして深刻な伏線では、みらいの発言に込められた想いです。
『悲しいお別れは、もうしたくないんです』
 この時点ではまだ劇場版も公開されていません。ラストのプロットが出来上がっていたのかも定かではありません。しかし、みらいとリコ、ことはとの別れが不可避である事、そしてモフルンの魔法が解けて動かなくなる事を、この台詞は匂わせています。
 悲しい別れを自分達はしたくない。しかし、いつか別れが来る事を、みらいは薄々気づいているように見受けられます。その時が来たら、「悲しい別れ」ではなく前向きに受け止めようという思いが伝わってくるようです。
 それを踏まえると、あの49話の別れの涙は、悲しい涙では無かったのかもしれません。再会を誓い、いつかきっと、また会えると信じて、それでも抑えきれない様々な想いが込み上げた、泣き笑いの涙。この夏の日の一編がきっかけで、あの別れの場面が描かれたのかもしれません。
 
 この校長との会話は「大丈夫です」という台詞で締めくくられています。これは校長に対して自分達が「大丈夫」だと言う意味合いにも、校長が抱いた不安を拭う意味合いにも捉えられます。そしてもう一つ、クシィとの辛い別れを味わったばかりの校長に対して、あれは「悲しい別れ」ではありませんよ、大丈夫ですよと呼びかけているようにも見て取れます。
 みらいはまだ中学生。全てを受け入れる程大人ではありません。大人であっても別れの辛さは持ち合わせています。現に「大人」という以上の齢を重ねた校長でさえも、先日のクシィとの別れは辛かった筈です。それが影響していたのか、今回の校長は途中まで妙に弱気でネガティブな態度が目につきます。災いに備えて文献を漁る姿からは焦りが伺え、先日の戦いで魔力を使い果たした事を嘆く等、いつものドンと構えた余裕が伺えませんでした。そんな校長の心の琴線に、みらいのシンプルな気持ちがストレートに響いたのでしょう。自分に出来る事をする、という当たり前の事でプリキュアのサポートを行うことで、ようやく校長もクシィとの一件に心の整理がついたのかもしれません。

 みらい=ミラクルの行動原理はシンプルです。みらいは今回の前半で、ナシマホウ界とも違う、補習時とも違う魔法学校の日常を楽しんでいます。ごく普通の日常。他愛の無い日々。世界のためといった大仰な者では無く、ただの日常を守りたい。それだけです。
 思えば初代のEDの歌詞の内容は、プリキュアが守りたいものを端的に表しています。地球のため、みんなのため、それもいいけど忘れちゃいけない事。それはごく普通の日常であり、消して失くしたくないものです。伝説の戦士や伝説の魔法使いと称されても、素の彼女達は少しばかり勇気があり、少しばかり頑張り屋さんの(時折怠け癖が出る子達もいますが・・・)普通の少女にすぎません。だからこそ、今この時を、みんなと過ごせる他愛の無い時間を大切にしたい。そこに偽りが無いからこそ、老成した筈の校長を動かしたのだと思います。

 校長も普段から好人物として描かれていますが、今回ずっと年下の者から学ぶという謙虚さ、偉ぶらない姿勢が好感を持てます。実るほど首を垂れる稲穂かな、という言葉をそのまま体現しているようで、流石は魔法界のトップに相応しい人物だと思わせます。

 ところでラブーについて。飄々とした怠け者。そしてマイペースという印象を持っていましたが、改めて見返すと、かえって感情や心というものが見受けられない恐ろしさを感じました。話しても分からない、話が噛み合わない相手に気持ちを伝える事ほど難しいものはありません。シリーズ全半の闇の魔法使い達は、今でこそ人間臭い連中だったと思えて来ますが、ラブー以下シャーキンス、ベニーギョ様、オルーバはどこか無機的だったと感じます。
 ほんの半年ほど前の話なのに、既に細部を忘れかけているので、この辺りにも着目してシリーズ後半の再視聴を進めてみたいものです。
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MP

この回から夏休み回。再び魔法界へとなるも、夏休みとはいいながらあの制服ではイメージ湧かないです。
(それが次回の「夏祭り」では)

その一方で、魔法学校の食堂が登場。最近のホテル同様のヴァイキングです。そこでみらいは大量に取ってました。やはりみらいも食い気なんですな。でも過去のプリキュアの内、なぎさ・咲・「5」メンバー(特にのぞみ・りん・うらら)・ラブ・響・ゆうこ、そして何よりカニより、なおちゃんがこれ知ったらウハウハして食べまくるでしょう!!

だがそんな中、冷凍ミカンの原料・ピーカンミカンが不作である事が判明。巨悪デウスマストの影響がチラホラ出て来ました。またみらいが校長に「悲しいお別れはしたくない」と一言。分かりますなァ。でもこれは現実化する事になりますから(「ゴープリ」だって)。

前回ヤモーがやられた事で、ラブーが単独行動に。確かにあの状態、ナマケルダやガマオを連想させます(特にガマオ)が、感情の無いってのはナマ・ガマとは違います。

by MP (2017-05-02 00:23) 

スティクス

>MPさん
あの制服だからこそ、架空世界の夏休み回が出て良かったと思います。
次回については、また次回で・・・

>最近のホテル同様
普段あまりホテル泊まらない方がここぞとばかり大量に盛って、結局残すなんて光景もあります。ちなみに私はビジネスホテルだと和食、シティホテルだと洋食をチョイスするタイプです。

>過去のプリキュア
私が某都市へ行く時に泊まる某ホテルの朝食は紹介できませんね、これは。朝っぱらからイクラ取り放題なので、なおちゃん等連れていったら採算取れなくなりそうです。

>デウスマストの影響
私が感想で書いた通りなので、ここでは割愛しますね。

>感情の無い
おかげで感情があったナマケルダさんやガマオ君には感情移入してしまいました。「敵は倒されるべき」という方針からすれば、ラブーの描写は正解だと思います。
by スティクス (2017-05-02 05:15) 

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