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Go!プリンセスプリキュア 第40話『トワの決意!空にかがやく希望の虹!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 ノーブレス・オブリージュ、俗に「高貴なる者に伴う義務」と言われるものがあります。
 人の上に立つ存在だからこそ、その一挙手一投足が人々に及ぼす影響は大きいもの。荒廃した故郷を前にしたトワもまた、その言葉の意味を改めて噛みしめることになりますが・・・
  
 カナタは記憶だけでなく、あの旋律も取り戻しました。錦戸さんの工房に、カナタが奏でるヴァイオリンの音色が響きます。皆がその音色に聴き惚れ、トワは涙を浮かべて聴き入っています。
 錦戸さんは記憶が戻ったお祝いとして、ヴァイオリンを1挺プレゼントしてくれました。って、どんだけ太っ腹なんでしょうこの方(笑)。
 トワは感極まり、カナタに飛びついたと思えば一転してモジモジと戸惑います。幼い時に別れて以来、きちんと話すのは久々の事。無理もありません。
『今まで心配かけた。トワもすっかり元に戻ったんだね』
 優しく声をかけてくれる兄の懐に、妹は泣きながら飛び込みました。多くの言葉は要りません。

『ほら、私たくさん勉強していますの』
 お兄様と話せる事が嬉しくてたまらないのでしょう。まるで子どものように(子どもですが)嬉々として数学のノートを見せたかと思えば、お次は授業で書いた風景画、その次は授業で使うバレエシューズ、その次は・・・出るわ出るわ(笑)。
『トワはこの世界で頑張っていたんだね』
 お兄様に褒められたトワは幸せハピネス、メロメロです。かわいいw
 そしてヴァイオリンの練習も抜かりは無く、スカーレットヴァイオリンを取り出しました。って、それ本当に弾けたんですね。バンダイカーン様の年末商戦テコ入れ策でしょうか。
『二人で一緒に演奏する夢が叶うね!』はるかはピュアだなぁ。おじさんの汚れた心には眩しいです。
 その時、ロイヤルキーが赤い光を発しました。
『ロイヤル・・・マジェスティ・・・?』
 自然にトワの口をついて出た言葉に反応するように、赤い光がさらに強まり・・・

 気が付くと全員ホープキングダムへと飛ばされていました。しかし王国は以前訪れた時以上に荒廃し、絶望の森と見まがうほど、茨に覆われ変わり果てた姿になっています。
『この国の危機を知らせるために、ロイヤルキーが僕らを呼び寄せたんだろう』
 ホープキングダムの空に架かっていた虹も無く、城は絶望の扉に閉ざされています。国民達の奪われた夢は、その扉の向こうに囚われています。カナタとトワの両親、すなわち国王夫妻の夢も同じく。
 変わり果てた故郷の姿に狼狽したクロロは、泣きながら駆け出して行ってしまいました。この状況でクロロを一人にするのは危険です。みなみ、きらら、ゆいちゃんと、パフ、アロマ、シャムール先生が、クロロを探しに森へ分け入りました。

 トワもまた、悲しい目で茨に覆われた城を見上げます。
 幼い日の思い出、誕生日を祝う一般参賀に臨んだ日の事が蘇って来ました。緊張のあまり強張っているるトワを、優しく諭してくれた国王と王妃の言葉。
『そんな顔では民が心配するぞ。我々を見守るあの虹のように、輝く笑顔で民に接し、夢と希望を授けるのがお前の務め。お前はホープキングダムの王女なのだから』
『私たちが笑えば民も笑い、涙すればまた民も涙を流す。その事を心に留めておくのですよ』
 カナタにもいつも通りのトワでいいと励まされ、トワはテラスの上から国民達にご挨拶しました。
『みなさん。今日は私のためにありがとう』
 裾を持ち上げて一礼するトワを、国民達が祝福します。
 しかし、それは思い出の中だけに残る光景。現実は茨に包まれた暗い世界です。
『お父様、お母様・・・』

 トワを失った後も、ホープキングダムの者達は懸命に明るく日々を過ごそうとしていました。しかしトワを失った心の隙間を埋め切ることはできなかったようです。それでも頑張って前を向こうとしていたのですが・・・破局は突然訪れました。
 クロロもあの日の事を思い出します。一緒に虹をくぐりに行こうと友達に誘われた日の事。突然友達は絶望の檻に閉ざされ、クロロは背後からパーカー、いやロックの本体に襲われました。
『お前でいいや。その体、借りるんだね』
 そして国王夫妻に迫るディスピアの影。こうしてホープキングダムは、絶望に閉ざされたのでした。

 玉座には国王夫妻に代わり、ディスピアが座っています。
『ディスピア・・・絶対に許さない』
 ディスピアは怒りと憎しみに満ちたトワの声を感じとります。
『いいだろう。そろって始末してくれる』
 クローズ達配下に任せるのではなく、ディスピア自ら分身と称する鍵を放ちました。

 はるか、トワ、カナタの行く手を塞ぐように、ディスピアが放った鍵が現れました。それは青い焔の身体を持つメツボーグへと変化し、メツボーグを通じてディスピアが呼びかけてきます。
『久しぶりだな王子。そしてトワイライト』
 そこにクロロを探しに行っていたみなみ、きららが駆けつけます。クロロ探しはゆいちゃん達が継続し、四人で変身して立ち向かいます。

 と思いきや、スカーレットは怒りに任せるように一人突進して行きました。かつてのトワイライト様を髣髴とさせる、カポエラのような身のこなしでメツボーグに挑みますが、明らかに冷静さを欠いています。隙を突かれて、背後に回り込んだメツボーグに吹き飛ばされました。
 フローラ、マーメイド、トゥインクルの三人がかりでもメツボーグに敵いません。ディスピアの分身と言うだけあって、ゼツボーグとは違う強さです。
『もう遅い。この国は全て絶望の中』
『・・・させないッ』
 立ち上がるスカーレットの目は、怒りに満ちています。
『返して!お父様とお母様を、民を・・・私の大好きなこの国を!今すぐ!』
 しかし再び考えなしに突っ込み、あえなく返り討ちにされました。
『返して・・・』
 倒れたスカーレットは、涙を浮かべながら力なく呟くしかできません。

 そこにクロロが泣きながらさまよって来ました。メツボーグにも、倒れているスカーレットにも気付いていないのか、まるで周囲の様子が見えていません。
 メツボーグの炎がクロロに迫り、スカーレットは身を挺して庇います。
『僕も、想いは同じだ』
 すると、スカーレットをさらにカナタが庇っていました。
『思い出すんだ。あの日の言葉を』
 怒りに囚われていたスカーレットは、ようやく我に返りました。
「私たちが笑えば民も笑い、涙すれば民も涙を流す」「そんな顔では民も心配する」
 両親の言葉を胸に刻み、スカーレットはクロロに呼びかけました。
『大丈夫、ホープキングダムは必ず取り戻して見せますわ。だから、泣かないで』
 怒りでも憎しみでも無い優しい笑顔に、クロロにも笑顔が戻ります。

『この国はもう亡びたのだ』
『いいえ!』
 メツボーグに歩み寄りながら、スカーレットは力強く言い放ちます。
『なぜなら私がまだここにいるから!私はキュアスカーレット。プリンセス・ホープ・ディライト・トワ。ホープキングダムの王女!』
 そして彼女は一人ではありません。想いを共有する仲間がいます。
『みんなでホープキングダムを取り返そう!』
 スカーレットプロミネンスの紅蓮の炎が、メツボーグの青い焔の身体を掻き消します。そして残った鍵、メツボーグの本体は、グランプランタンで浄化しました。

 目の前の茨が消えると、古城が現れます。そこはかつてトワがトワイライト様だった頃、キーを手に入れた古城でした。古城を背に振り返るスカーレットの視線の先には、茨に覆われた王宮が見えます。
 スカーレットはおもむろにヴァイオリンを奏で始めました。響き渡る旋律に、カナタが奏でる音色が重なって行きます。
 王子と王女の二重奏に、国民達が、国王夫妻が耳を傾ける光景。今はまだ幻でしかありませんが、いつか現実になる日を夢見て、二重奏は奏でられ、周囲に響き渡ります。
『誓いますわ。次はこの音色を、蘇ったホープキングダムで響かせて見せる。そのために、この国の王女として皆も夢を取り戻します。』
 スカーレットは強い瞳で空を見上げ、王女としての決意を新たにしました。

 するとスカーレットのキーが反応し、希望の炎が古城を覆っていた茨を焼き払います。トワの夢が古城に新たな息吹を吹き込み、赤い虹が炎の城から延びました。
 カナタはこの炎の城が、ホープキングダムを取り戻すきっかけになると予感しています。そして炎の城の扉は、夢が浜へと通じています。未だ茨に覆われた故郷を振り返り、スカーレットは改めて胸に刻み込みました。
『お父様、お母様、必ず美しいホープキングダムを取り戻して見せますわ』


 事実上トワの最後のメイン回なのですが、前回があまりにも劇的だったため、再視聴に臨むにあたり今回にはやや地味な印象を抱いていました。
 しかし再視聴してみると、前回と同じテーマを上手くトワに当てはめた一編だったと感じます。細部には色々と気づかされ、改めて再視聴の醍醐味を堪能しました。

 まず今回のトワ=スカーレットは、今までに無いほどの怒りや憎しみといった感情が伺えます。確かに故郷の荒廃を前にすれば無理もありません。しかし同じ境遇のはずのカナタからは、そのような負の感情は見受けられませんでした。おそらく彼も内心では怒りを覚えていたはずです。それを表に現さずにいたのは、カナタが王子としての立場を意識して振舞っていたからなのかもしれません。
 トワが拉致された時期はあまりにも幼く、いわゆる帝王学を身に着けるまでには至らなかったのでしょう。それでも上に立つ者は常に規範たりえなければならない、という基本は、子供心に分かりやすく噛み砕いて両親から落とし込まれていました。
 前回のはるかにとっての「夢の原点」と同様、トワにとってもこのことは原点だったはずです。
 それを思い出した時に、悲しみ、怒り、憎しみを抱いてしまったのは、この荒廃を招いたのは自分にも責任があると感じていたからだと思います。

 実際にトワがディスピアに惑わされなければこうならなかったはずですし、さらにトワイライト様としての所業も彼女は覚えています。自分への怒りが、それを植え付けたディスピアに対し増幅して向けられても無理はありません。今回のスカーレットの戦いぶりは、怒りに任せたとはいえ華麗で優雅なものでした。それはトワイライト様の戦いぶりを髣髴とさせています。原点を思い出すと同時に、忘れたくても忘れられないかつての自分が、少し表に出かかっていたように見受けられます。
 一方ディスピアも、はるかやカナタが一緒にいたにもかかわらず、トワの声だけを感じ取っていました。前回自分を取り戻し成長を遂げたはるかと、前述のとおり感情を表に出さぬよう心掛けていた(と思われる)カナタではなく、トワだけの声が届いたのは、負の感情だからだと思います。
 そしてディスピアを少しでも良く見ようとすれば、かりそめでも「娘」と呼んだ者だからこそ、「母」としてその想いを感じ取ったのかもしれません。
 もっともディスピアは、それを優しく迎え入れるような存在ではありませんが・・・

 錦戸さんを登場させなくてもストーリー上問題はありませんが、あえて登場させたのにも意味がありそうです。かつて錦戸さんはヴァイオリンの音色が心を映し出すと言っていました。曇った心で奏でれば音色も曇る。まさに今回のトワの心は曇っており、それがクロロに伝染してしまっています。
 錦戸さんが登場するのは冒頭のわずかな部分ですが、曇った心、怒りや憎しみの心をぶつけるのではディスピアには勝てないということを思い起こさせる意味があったように思えました。

 しかし前回のフローラと同様に、再び原点を見つめ直してからはスカーレットもあるべき姿を取り戻し、自信に満ちています。メツボーグに再戦を挑む姿からは、トワイライト様の面影はありません。キュアスカーレットして生まれ変わった時の姿を思わせる戦いぶりで圧倒していました。
 プリンセス・ホープ・ディライト・トワの名を高らかに名乗り上げる姿は誇らしげです。それはトワイライト様時代にあった、上から見下すようなものではありません。同じプライドでも、守るべき者達の上に立つ者の責任を果たすという意味でのプライドが、その姿からは滲み出ています。

 そして兄と妹の二重奏!やっぱりあの曲が重なり合って奏でられると素晴らしいです。もっとも欲を言えば、あのスカーレット誕生の感動シーンでは「ボウイング」が絵と合っていたのですが、今回は残念ながらズレており、そこが少し気になってしまいました。やはり技術的に難しいのでしょうか・・・
 さて今回はそのように誇りを取り戻したトワ=スカーレットの美しさ、凛々しさが際立ちますが、一方でお兄様にデレデレの甘えん坊トワちゃんの可愛さも堪能できます(笑)。
 四次元ポケットから道具を取り出すように次から次へとお兄様に見せる姿と、褒められて照れる顔の可愛い事!みなみもお兄様の前では普段見られない妹っぷりを見せてくれますが、それ以上にトワのデレデレぶりが可愛いです。これがいわゆるギャップ萌え、というやつなのですね(笑)。
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悩める父メフィスト

まさに再視聴の醍醐味、拝読致しました。
ついに兄妹の二重奏がかないました。ひとつひとつ取り戻していく、あの台詞を思い出す回でもありますね。
by 悩める父メフィスト (2017-08-16 22:01) 

スティクス

>悩める父メフィストさん
>兄妹の二重奏
やっぱりあの曲が重なると素晴らしいですね。
一つ一つ取り戻すという事についても、ご指摘いただいて改めて気づきました。
by スティクス (2017-08-17 19:48) 

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