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Go!プリンセスプリキュア 第46話『美しい・・・!?さすらうシャットと雪の城!』 [Go!プリンセスプリキュア]

「のみ」
 シャットさんの代名詞と言えるこの言葉、本来は一つの事柄を強調するものです。
 少々無理がある語尾にも、シャットさんはやたらと「のみ」をつけてきました。
 それが今回への伏線だとすれば少々深読みしすぎでしょうか。
 雪の城を舞台に、かつてシャットさんが恋い焦がれた者、トワとの戦いの火蓋が切って落とされます。
  
 冬休みを控えたノーブル学園は、大掃除の真っ最中。
 掃除に精を出しながら、冬休みの過ごし方についての会話にも花が咲きます。
 トワは錦戸さんに招かれ、カナタと一緒に過ごせることになりました。
 みなみは家族で野生のペンギンを見に南極へ。さすが海藤家、スケールが違います。
 きららは久々に帰宅する父を交えての家族水入らずで、
 はるかは実家の和菓子屋のお手伝いです。
 冬休みを控え、和やかな雰囲気がノーブル学園を包んでいます。
 
 一方、前回敗れたシャットさんは、もはやディスダークにも戻ること叶わず、
 孤独に町を彷徨っています。
 鉛色の空から小雪がちらつき、シャットさんに降り注ぎました。

 その雪が、一晩で学園を銀世界へ変えます。
 初めて見る積雪に目を見張るトワをはるか達はグラウンドへ誘い、
 新雪へ第一歩踏み出すことを勧めました。
 ホープキングダムでは見られない積雪を、トワだけでなくパフ、アロマも楽しんでいます。
 続いて雪だるま作り。皆それぞれ個性豊かな雪だるまや雪像を作ります。
 トワにも何か作ろうと勧めると、ホープキングダムを模した雪の城を作ることになりました。

『早くトワ達がホープキングダムに帰れるよう、みんなで願いを込めましょう』
『パフたちが入れるくらい大きいの作っちゃおう!』
 雪の城作りの現場には、次第に人が集まってきます。
 雪合戦に興じていたゆうき達男子が手を貸し、ゆいちゃんがイメージ図を作成し、
 みなみ以下生徒会役員達が設計や耐久性を検討し、
 ノーブル学園の皆が参加する一大イベントとなりました。
 そしてイベントと言えば、この人が黙っていません(笑)。
『話は聞いたわ!』
 あざといウサ耳パーカーをかぶったらんこパイセンが、期待を裏切らずに登場。
『雪のお城なんてキャッチーなもので世間にアピールしようったって、そうはいかないんだから!』
 などと言っていますが、その本音は単に参加したいだけだったようです。
 食堂のおばちゃんや料理部がスープを差しいれたり、映画部が建設の模様をフィルムに収めたり
 二学期の最後に相応しい盛り上がりを見せるイベントとなりました。
 そのどさくさに、らんこパイセンが3メートルはあろうかという
「根性ドーナツくんの雪像」を作っていたりするのですが(笑)。

 楽しげなノーブル学園と対照的に、シャットさんは商店街を彷徨っています。
 頬はこけ、私を見るなとうわ言のように呟きながらふらつく様は、
 完全に「見ちゃいけません」状態です。
 さらに手にしている黒いバラを鳩に奪われ、まさに泣き面に蜂。
『今の私はあんな鳥以下だというのか・・・この、私が・・・』
 シャットさんは嘆きの声を上げて、商店街を駆けぬけて行きました。

 雪の城は見事完成。とても中学生達が作ったとは思えない、札幌雪まつりの雪像レベルの出来です。
『私一人ではこうは行きませんでしたわ。たくさんのお友達のおかげです』
 城作りが一段落し、寮に着替えに戻る道すがら、トワは手袋を忘れた事に気付きました。
 取ってくるというアロマを、自分の事は自分でやると笑顔で制して、一人取りに戻ります。
『もうすっかりノーブル学園の生徒ね』
 トワの後ろ姿を、皆感慨深げに見つめています。
 手袋は無事に見つかり、改めてトワは城を見上げていると、
 そこにシャットさんがふらふらと近づいて来ました。
『シャット!ここで何を・・・』
 警戒するトワに、シャットは気の抜けた返事を返します。
『何を?さあ、何だろうな・・・』
 ところが陽を浴びて輝く雪の城を見て、シャットさんの嫉妬心に火が着きました。
『こんなものまでが私を嘲笑うか!砕いてやる・・・貴様も、世界も・・・私を貶める者は全て!』
 城に一撃を加え、血走った目で叫ぶシャットさんに対し、トワは一人変身して対峙します。

 はるか達もすかさず絶望の気配を察し、駆け付けて変身。
 ところが「強く 優しく 美しく」といういつもの口上が、シャットさんの癇に障りました。
『美しくだとぉおッ!?貴様らの何が美しいものか。美しいのはこの私のみだッ!』
 シャットの赤黒い波動が放たれ、避けようとしたスカーレットは
 背後に城があるのを案じて、受け止めます。
『これ以上壊させません!』
 波動を受け止めるスカーレットをフローラ達が援護し、
 リィストルビヨン、バブルリップル、ミーティアハミングがシャットさんを吹っ飛ばしました。

 それでもシャットさんはさらに憎悪を滾らせ、自らの絶望で猫の獣人へと姿を変えて
 獣のように襲いかかります。
『壊れればいい!こんな世界!私を認めないものは全て消えてなくなれ!』
 なりふり構わず爪を振るうシャットさんの姿に、スカーレットは戸惑いを隠せません。
『シャット。一体何があなたをそこまで・・・』
『黙れ・・・貴様がそれを言うか!』
 スカーレットは駆け寄ろうとするフローラ達を制し、一人シャットさんと対峙します。
『トワイライト。思えば貴様との出会いが私の運命を狂わせたッ!』まあ、そうですね(笑)
 トワイライト様に一目惚れして以来の、魅了されたり、トワに戻って失望したりと
 様々な出来事を思い返しながら、シャットさんはスカーレットに攻撃を畳み掛けます。
『貴様がいなければ私はここまで落ちぶれることは無かった!
 そうだ・・・貴様さえいなければ私は!再び美しく返り咲ける!』
 渾身の一撃にスカーレットが膝をつくのを見て、シャットさんは勝ち誇りました。
『これが私だ!美しい私の美しい力だ!!』

 そんなシャットさんを、トゥインクルは美しくないと切り捨てます。
 マーメイドが作り出した氷に映る自分の姿を見たシャットさんは、その醜さに愕然としました。
『醜い・・・これが・・・私?』
『だってあんたのしてる事八つ当たりじゃん』
『すべて人のせいにしているだけ』
『それは多分・・・美しくなんてないよ』
 それでもシャットさんは認めたくありませんでした。醜い自分から目を背けるように氷を砕き、
『ロックに見下され、クローズに見下され、ディスピア様にも見捨てられ、残されたのは自分のみ。
 信じられるのはもう、この私のみだァアアアッ!』

 さらに溢れた絶望が、シャットさんを猫の怪物へと変化させます。
 もはや理性を失い、プリキュアを倒すと言う目的も忘れて獣の本能のままに暴れ回る姿を見て
 フローラは静かに、しかし力強く言いました。
『助けよう・・・』
 みんなの想いも同じです。四人でシャットさんを攪乱して体制を崩し、
 スカーレットイリュージョンで動きを封じました。
『シャット、静まりなさい』
 それはかつてのかりそめの自分に付き従った忠臣へ向けた言葉のようです。
 そしてグランプランタンが、シャットさんを打ち据えました。

 倒れた化け猫が、ボロボロながら元のシャットさんの姿に戻りました。
 スカーレットはシャットさんに歩み寄り、手を差し伸べます。
『何のつもりだ?トワイライト』
『トワイライトも孤独で人のことなど考えない人間でしたわ。
 気高く、尊く、麗しく。ただそれだけで良いと。でも、今の私は違います』

 トワイライト様だった頃を想いながら、振り返るスカーレット。そこには仲間がいます。
『暖かくて大切なものをたくさんいただきましたから』
 暖かく大切なものを守るため、強く優しくある姿。
 それが「美しさ」だと、今のスカーレットは考えています。
 そして、改めてシャットさんに手を差し伸べました。
『変わりましょう、シャット。私と一緒に』

 しばしの沈黙。そしてシャットさんはスカーレットの手を払いのけ、
 無言で立ち上がり、背を向けてその場から去って行きました。
 帽子を拾い、木立へと消えていく後ろ姿を、スカーレットもまた無言で見送ります。

『お城、壊れてしまいましたわね』
『大丈夫!まだ時間あるよ!今からでも作り直せば・・・』
 雪の城へ戻ったはるか達は、目の前の光景に息を呑みました。
 そこではゆいちゃんの指揮の下、生徒達が協力して城の修復を進めています。
『みんなが私たちの夢を守ってくれているんだもん。このお城ぐらい自分達で守りたいじゃない』
 夕陽に彩られた城が、美しく輝いています。
『とても・・・とても美しいですわ』
 修復が進む城を、シャットさんも遠巻きに眺めています。
『強く、優しく、美しく。か・・・』
 呟くシャットさんに、シャムール先生がマフラーを差し出します。
『風邪を引いたら美しくないわよ』
 スカーレットに対した時と同様、シャットさんは黙ってマフラーを受け取り、静かに立ち去ります。
 その後ろ姿を、シャムール先生とクロロは顔を見合わせた後、笑顔で見送りました。

 二学期も終わり、冬休みが始まります。
 春家に戻り、店の手伝いに精を出すはるか。
 家族と南極へペンギンを見に行くみなみ。
 久々の一家水入らずの時を過ごすきらら。
 兄と共に二重奏を奏でるトワ。
 そして首に巻いたマフラーをなびかせたシャットさんが、一人夜の街を行きます。

『みんな、良いお年を』
 年賀状を書くはるかの笑顔に反応するように、茨に覆われた花の城が目覚めの時を待っています。


 ノーブル学園を舞台にした最後の日常エピソード。
 優しく暖かい話だな、という印象が、初見時から付きまとっています。
 その優しさは理性を失って暴れ回るシャットさんに向けた
「助けよう」
 に集約されていますが、それ以外にもエピソード全編を通して暖かさと優しさが伝わってくる、
 そんな余韻を残す一編でした。

 まずフローラによる「助けよう」の場面。
 この時映っているのは口元だけで、彼女がどんな眼差しをしているのかは想像に委ねられています。
 優しさとは必ずしも笑顔で伝えるものとは限りません。
 私の想像ですが、この時フローラは強く厳しく、かつ少し悲しい目をしていたのではないかと思います。
 復活して再び現れたとはいえ、かつて暴走したクローズを「葬り去った」経験は
 いつまでも苦い記憶として残っていたはずです。
 その時と同じ想いをしないために、シャットさんを救う方法を取りたい。
 自分が辛い想いをしたくないからではなく、自分を助けられないものは他人を助けられない、
 誰かを助けた結果、自分を助けることに繋がっていく。
 それが自助であり、助け助けられる関係だと思います。

 他にも今回は「助ける」場面があります。
 前半のメインテーマである雪の城作りも、最初はトワが一人で始めた小さなものでした。
 それがいつの間にか話が広がり、全校生徒が加わる一大イベントと化し、
 見事な城へと昇華しました。
 ここには助けたり助け合ったりという固いものは無く、
 みんなで城作りというイベントを楽しんでいるだけかもしれません。
 しかし結果的に、トワ一人またははるか達5人だけではできなかったものが出来上がりました。
『私一人ではこうは行きませんでしたわ。たくさんのお友達のおかげです』
 それはトワがノーブル学園の一員として受け入れられ、
 彼女の希望どおりに立派な城を築きあげたいと言う生徒達の気持ちが集約した結果です。
 まあ、中にはらんこパイセンみたいなお祭り付きもいたと思いますが(笑)
 そのらんこパイセンにしても、崩れた城の修復作業では普通に作業をしています。
 自分が楽しんだ結果、誰かが助かっている、という輪が自然に広がって行く光景に
 シャットさんを助けるのとは違う「優しさ」が感じられました。
『とても・・・とても美しいですわ』
 再建された城を夕陽が照らすのを見て、トワは感嘆の声を上げています。
 それは城の美しさだけではない、ノーブル学園の生徒達の連帯感が美しいと言っているようです。

 ところでリアルタイム放映時には、ここからの最終決戦で生徒達が絡むと考えられなかったので、
 今回が生徒達の見納めになると思っていました。
 それ故のノーブル学園の生徒オールスターズ。そんな風に考えていた時期が俺にもありました(笑)

 さて今回の主役とも言えるシャットさんについて。
 冒頭で触れた「のみ」を、今回シャットさんはほとんど発していません。
 今までは多少無理がある語尾にも「のみ」が付いていましたが、
 今回は本来の意味での「のみ」しか用いていませんでした。
 それは「美しいのはこの私のみ」
 「残されたのは自分のみ」
 「信じられるのはもう、この私のみ」という三種です。
 どちらも自分以外を否定する台詞。
 この孤独感を強調するために、いままで「のみ」をつけてきたのかもしれません。

 しかしこの状態でも彼は見捨てられなかった事が幸福でした。
 スカーレットがかつての自分トワイライト様を重ね合わせ、
 孤独の哀しみを知るからこそ、寄り添う事が出来たのでしょう。
 トワイライト様だったことは消したい記憶でも、消し去る事は出来ません。
 自我を取り戻した直後のトワは、それから目を背け、逃げていました。
 その苦い記憶、苦い自分をも受け入れて、誰かのために役立てたい。
 キュアスカーレットとして歩み出してからの半年間で、
 彼女が真のプリンセスらしく成長した事が見て取れます。

 そして、かつて自分に仕えた者への想いもあったと思われます。
 スカーレットはシャットさんに追い込まれた際、加勢しようとするフローラ達を制しています。
 それは臣下だった者への敬意と礼、後にホープキングダムを復活させた後、
 彼女は王族として民を守る振る舞いをしなければなりません。
 だからこそ、かりそめでの主従関係でも、
 かつて仕えたものに真摯に向き合う責任を感じていたのだと思います。

 しかしボロボロのシャットさんに手を差し伸べるスカーレットは、笑顔ではありません。
 前述のフローラと同様、己の過去を省みるような厳しい表情をしています。
 この時、シャットさんが砕いた氷の破片にスカーレットが映るという構図で描かれています。
 この場には鏡はありません。鏡の代わりの氷です。
 鏡には時に、観たくない自分の姿が映り込むことがあります。
 誰でも観たくない自分があり、その姿は醜いものです。
 醜い自分に蓋をするように美しいものを求めるのは、上辺だけの美しさです。
 シャットさんがトワイライト様に向けていた憧れも、
 彼女の本質ではなく上辺の美しさのみを見ていました。
 それが、かつての自分から目を背けないスカーレットとの違いだと思います。
 ・・・って、イース様やトワイライト様に熱を上げた私が言えた義理ではありませんが(笑)
 私は満と薫、ダークドリーム、ダークプリキュア、エレン、レジーナ、最近ではビブリー等
 敵の少女幹部に惹かれた理由は、内面の葛藤や儚さ、滲み出る本質の素直さだと考えています。

 シャットさんとトワの無言の別れ。
 続けてシャットさんとシャムール先生との無言の別れ。
 いずれも印象深い場面でした。この時のシャットさんは気持ちの整理がついていないものの
 おそらくディスダーク、ディスピアへの忠誠心は無くなっていたと思います。
 それでも今まで敵対してきた者にすがれないというプライドもあったはずです。
 ならば気持ちの整理がつくまでは、黙って立ち去る「のみ」
 そう考えたからこそ礼も言わず悪態もつかず、静かに去って行ったのだと思います。
 その気持ちをスカーレットもシャムール先生も、
 そしてクロロもかつての同僚として汲んだからこそ、
 言葉をかける以上に無言で見送ったのでしょう。それも一つの優しさだと感じます。

 もっとも、シャムール先生が差し出したマフラーに
 しっかり「肉球」が付いているのがお茶目でしたが(笑)
 これ、南野奏先輩が見たらすこぶるテンションあがりそうです。
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MP

トワ→きらら→みなみと続いて、最後ははるかの番…というところですが、この回が2015年最後の放送ゆえ、はるかではなくシャットにターゲットにした回でした。

といっても前半は冬休み近いノーブル学園での話。ゆうきや相変わらずの目立とう精神旺盛なランランとの絡みでした。

だが皆で雪の城を作ったところにシャット、あの激しい口調、そしてネコと化したシャット(シャット→キャットって事か)。ロックは助かったものの今度はどうなるのか思われましたが、フローラの「助けよう」の一言で浄化されて元の姿に。

あの「助けよう」の一言、そしてエピローグ場面を見て、シャットは「第2のブンビー」じゃなくなりました。確かに「転落人生」ってのはブンビーと同じですが、ブンビーの場合、プリキュアから「ナイトメア」や「エターナル」としか呼ばれず、リーダーを志願しても受け入れず、改心直後にプリキュアを助けようとしてもローズに警戒される有様で、最後にドリームだけに「ブンビーさん」呼ばれる程度。それに比べりゃシャットはプリキュア側にあんだけ好意の眼で見られますから。

最後、はるかが「良いお年を」と言ったのもよかった。前年「ハピチャ」が決着着かぬまま越年したと比べるとよかったです。
by MP (2017-10-13 21:52) 

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